テキスト

○交通の方法に関する教則 
目次

第1章 歩行者と運転者に共通の心得
  第1節 基本的な心構え
  第2節 信号、標識・標示に従うこと
  第3節 警察官などの指示に従うこと
  第4節 道路でしてはいけないことなど
第2章 歩行者の心得
第3章 自転車に乗る人の心得
第4章 自動車を運転する前の心得
  第1節 運転に当たつての注意
  第2節 運転免許の仕組み
  第3節 自動車の点検
  第4節 乗車と積載
  第5節 安全運転に必要な知識など
第5章 自動車の運転の方法
  第1節 安全な発進
  第2節 自動車の通行するところ
  第3節 歩行者の保護など
  第4節 安全な速度と車間距離
  第5節 進路変更など
  第6節 追越しなど
  第7節 交差点の通り方
  第8節 駐車と停車
  第9節 オートマチック車などの運転
第6章 危険な場所などでの運転
  第1節 踏切
  第2節 坂道・カーブ
  第3節 夜間
  第4節 悪天候など
  第5節 緊急時の措置
第7章 高速道路での走行
  第1節 高速道路に入る前の心得 第
  2節 走行上の注意
第8章 二輪車の運転の方法
  第1節 二輪車の運転者の心得
  第2節 正しい乗り方
  第3節 安全な運転の方法
  第4節 ブレーキの掛け方
  第5節 オートマチック二輪車の運転
  第6節 その他注意しなければならないこと
第9章 旅客自動車や代行運転自動車の運転者などの心得  (二種免許のみ)
第10章 交通事故、故障、災害などのとき
  第1節 交通事故のとき
  第2節 故障などのとき
  第3節 災害などのとき
第11章 自動車所有者、使用者、安全運転管理者、自動車運転代行業者などの心得
  第1節 自動車所有者などの義務
  第2節 使用者、安全運転管理者、自動車運転代行業者などの義務

 


第1章 歩行者と運転者に共通の心得
車は、私たちの生活から切り離せない身近な文明の利器になつています。しかし、その反面、使い方を誤 まると悲惨な交通事故を起こす凶器になつたり、騒音、振動などにより沿道住民に大きな被害を及ぼす原 因になつたりします。また、自分勝手な通行の仕方がもとで争いが生じ、人間関係を険悪化させる場面も 日常よく見受けられます。 くるま社会においては、歩行者も運転者もそれぞれの責任を自覚して、周りの人に迷惑を掛けず、安全、 快適に通行することができるような交通環境をつくりあげるよう努めなければなりません。そのために は、あらかじめ、車と交通について正しい知識を持ち、正しい交通の方法を身に付けておくとともに、実 際の交通の場においても、自分本位でなく相手に対する思いやりの気持ちを持つて、判断し、行動するこ とが必要です。 この教則は、歩行者と運転者が、それぞれの責任を自覚して、安全、快適なくるま社会を築いていくため の手引きとして作られたものです。繰り返し読んで、正しい交通の方法を理解し、身に付けるとともに、 友人や家族、特に子供たちにも折に触れて教えてあげるようにして下さい。

第1節 基本的な心構え


1 交通規則を守ること
  道路は、多数の人や車が通行するところです。運転者や歩行者が一人でも自分勝手に通行すると、交通が 混乱したり、交通事故が起きたりします。また、自分だけはよくても、ほかの人に迷惑を掛けたりするこ とがあります。 交通規則は、このようなことから、みんなが道路を安全、円滑に通行する上で守るべき共通の約束事とし て決められているものです。言い換えれば、交通規則を守ることは、社会人としての基本的な責務なので す。 交通規則の内容は、この教則で述べられていますが、具体的には、信号機や標識などによつて個々に示さ れていますので、それらの意味をよく理解し、決められた交通規則をお互いに守るようにしましよう。
2 道路を通行するときの心構え
 道路を通行するときは、決められた交通規則を守ることはもちろん、それ以外にも、道路や交通の状況に 応じて、個々に細かい配慮をしなければなりません。ほかの人々が安全に通行できるように配慮すること は、運転者や歩行者としての社会的責任でもあります。道路を通行するときには、次のような心構えを忘 れないようにしましよう。
(1) 周りの歩行者や車の動きに注意し、相手の立場について思いやりの気持ちを持つて通行すること。
(2) 自分の通行の利便だけを考えるのではなく、沿道で生活している人々に対して、不愉快な騒音など の迷惑を掛けないように配慮すること。
(3) 万一の場合に備えて、自動車保険に加入したり、応急救護処置(交通事故の現場においてその負傷者 を救護するため必要な応急の処置をいいます。)に必要な知識を身に付けたり、救急用具を車に備え付け たりするなど平素から十分な用意をしておくこと。
(4) 交通事故や、故障で困つている人を見たら、連絡や救護に当たるなど、お互いに協力しあうこと。
(5) 自動車の運転者はもちろん、歩行者や自転車に乗る人も、自動車の死角、内輪差など自動車の特性 をよく知つておくこと。
(6) 道路に物を投げ捨てたり、勝手に物を置いたり、その他周りの人の通行の妨害や迷惑になるような ことをしないこと。

第2節 信号、標識・標示に従うこと


1 信号の意味
(1) 信号機の信号に従つて通行しなければなりません。信号機の信号の種類とその意味は、付表 のとおりです。
(2) 信号機の信号は、前方の信号を見るようにしましよう。横の信号が赤であつても、前方の信号が青 であるとは限りません。例えば、全方向が一時的に赤になる信号や、時差式信号機のように特定方向の信 号が赤に変わる時間をずらせているものもあります。
(3) 人の形の記号のある信号は、歩行者と横断歩道を進行する普通自転車に対するものですが、 その他の自転車もその信号機に「歩行者・自転車専用」と表示されている場合は、その信号機の信号に 従わなければなりません。この場合の信号機の信号の意味は付表のとおりです。 また、「バス専用」などの標示板のある信号機の信号は、その示されている車を対象としています。 このように車や歩行者に対して信号が特定されているときは、その特定された信号に従わなければ なりません。


(4) 道路の左端や信号機に、白地に青の左向きの矢印の標示板のあるときは、車は、前方の信号が 赤や黄であつても、歩行者など周りの交通に注意しながら左折できます。この場合、信号機の信号 に従つて横断している歩行者や自転車の通行を妨げてはいけません。


2 標識の意味
(1) 標識とは、交通規制などを示す標示板のことをいい、本標識補助標識があります。本標識には、規制標識、指示標識、警戒標識、案内標識の4種類があります。標識の種類とその意味は付表のとお りです。
(2) 規制標識は、特定の交通方法を禁止したり、特定の方法に従つて通行するよう指定したりするもの です。例えば、自動車の通行を禁止する標識,最高速度を指定する標識などがあります。
(3) 指示標識は、特定の交通方法ができることや道路交通上決められた場所などを指示するものです。 例えば、駐車することができることを示す標識、横断歩道や安全地帯の場所を示す標識などがあります。
(4) 警戒標識は、道路上の危険や注意すべき状況などを前もつて道路利用者に知らせて注意を促すもの です。例えば、前方に踏切があることを示す標識、道路工事中であることを示す標識などがあります。
(5) 案内標識は、地点の名称、方面、距離などを示して、通行の便宜を図ろうとするものです。
(6) 規制標識など本標識の意味を補足するものとして補助標識が用いられることがあります。補助標識 は、普通、本標識の下に取り付けられており、規制の理由を示したり、規制が適用される時間、曜日、自 動車の種類などを特定しています。なお、車の種類を特定する場合には、付表4のような略称を用いるこ とがあります。

3 標示の意味
(1) 標示とは、ペイントや道路びょうなどによつて路面に示された線、記号や文字のことをいい、規制標示指示標示の2種類があります。標示の種類とその意味は付表のとおりです。
(2) 規制標示とは、特定の交通方法を禁止又は指定するもので、例えば、駐車を禁止する標示やバスの 専用通行帯を指示する標示などがあります。 指示標示とは特定の交通方法ができることや道路交通上 決められた場所などを指示するもので、斜め横断ができることを示す標示や車両の停止位置を示す標示 などがあります。

第3節 警察官などの指示に従うこと


1 警察官や交通巡視員が手信号や灯火による信号により交通整理を行つている場合は、この手信号や信号 に従わなければなりません。この場合、手信号や灯火による信号が信号機の信号と違つていても、その 警察官や交通巡視員の信号の方が優先します。
2 警察官や交通巡視員が通行の方法などについて必要な指示をすることがありますが、その場合は、警 察官や交通巡視員の指示に従つて行動しなければなりません。警察官が行う指示が標識・標示によつて示 された交通の規制と違つていても、指示の方が優先します。

第4節 道路でしてはいけないことなど


1 道路上で次のような危険なことをしてはいけません。
(1) 酒に酔つてふらついたり、立ち話をしたり、座つたり、寝そべつたりなどして交通の妨げとなるこ と。
(2) 交通量の多いところでキャッチボールやローラースケートなどをすること。
(3) 道路に向けて物を投げたり、発射したりすること。
(4) 道路を壊したり、汚水、ごみ、くぎ、ガラス片などをまいたり、捨てたりすること。
(5) 車からたばこの吸い殻、紙くず、空きかんなどを投げ捨てたり、体や物を外に出したりすること。
(6) 走つている車や路面電車に外からつかまること。
(7) 運転者の目をくらませるような光を道路に向けること。
(8) 凍り付くおそれのあるときに水をまくこと。
2 道路上に商品などを陳列したり、土砂、材木など交通の妨げになる物を置いたりしてはいけません。
3 信号や標識・標示がよく見えないと非常に危険です。信号機の近くに信号と似た色のネオンサインを 設けたり、標識の近くに広告看板を設けたり、また、信号機や標識・標示を勝手に操作したり、移した り、壊したりしてはいけません。
4 免許を持たない人や酒気を帯びた人に運転を頼んだりしてはいけません。また、運転者に先を急がせ たり、運転の邪魔になる行為をしないようにしましよう。
5 これから車を運転しようとする人に酒を出したり、勧めたりしてはいけません。
6 運転者に、過積載(積載物の重量の制限を超えて物を積むことをいいます。)をして車を運転すること を求めたり、過積載となるような物を売り渡したり、引き渡したりしてはいけません。


第4章 自動車を運転する前の心得

第1節 運転に当たつての注意


1 運転免許証などを確かめるなどすること
(1) 自動車を運転する前には、必ず次のことを確かめましよう。
ア 運転しようとする自動車に応じた運転免許証を持つていること。
イ 有効な自動車検査証と自動車損害賠償責任保険証明書又は責任共済証明書を自動車に備えているこ と。
ウ 運転免許証に記載されている条件(眼鏡等使用など)を守つていること。
エ 準中型免許を受けて1年を経過していない初心運転者が準中型自動車を運転するときは、その車の前 と後ろの定められた位置に初心者マークを付けていること。
オ 普通免許を受けて1年を経過していない初心運転者が普通自動車を運転するときは、その車の前と後 ろの定められた位置に初心者マークを付けていること。
カ 両耳の聴力が補聴器を用いても10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえない程度の聴覚 障害のあることを理由に免許に条件を付されている運転者が準中型自動車又は普通自動車を運転するとき は、その車の前と後ろの定められた位置に聴覚障害者マークを付けていること。
キ 非常信号用具や停止表示器材(停止表示板又は停止表示灯をいいます。)などを車に積んでいること。
(2) 70歳以上の高齢運転者が普通自動車を運転するときは、その車の前と後ろの定められた位置に高齢者マークを付けるようにしましよう。
(3) 肢体不自由であることを理由に免許に条件を付されている身体の不自由な運転者が普通自動車を運 転するときは、その車の前と後ろの定められた位置に身体障害者マークを付けるようにしましよう。

2 運転計画を立てること
 ⾧距離運転のときはもちろん、短区間を運転するときにも、自分の運転技能と車の性能に合つた運転計画 を立てることが必要です。あらかじめ、運転コース、所要時間、休息所、駐車場所などについて計画を立 てておきましよう。⾧時間にわたつて運転するときは、2時間に1回は休息をとりましよう。また、眠気を 感じたら、速やかに休息をとつて眠気を覚ましてから運転しましよう。

3 体調を整えること
 疲れているとき、病気のとき、心配ごとのあるときなどは、注意力が散漫になつたり、判断力が衰えたり するため、思い掛けない事故を引き起こすことがあります。このようなときは、運転を控えるか、体の調 子を整えてから運転するようにしましよう。また、睡眠作用のある風邪薬や頭痛薬などを服用したとき は、運転をしないようにしましよう。過労のときは、運転してはいけません。

4 酒気を帯びた状態などで運転をしないこと
 酒気を帯びているときや麻薬、覚せい剤、シンナーなどの影響を受けているときは、運転してはいけませ ん。また、酒を飲んだのが前夜であつても、翌朝の運転時まで酒の影響を受けていることがあることに注 意しましよう。

第2節 運転免許の仕組み


道路で自動車や原動機付自転車を運転するときは、その車種やけん引などの状態に応じた免許を受け、そ の免許証を携帯しなければなりません。 また、違反行為をしたり、交通事故を起こしたりした際に警察官から提示を求められた場合には、免許証 を提示しなければなりません。 なお、免許を受けていても免許の停止処分中の者はその期間運転することはできません。

1 運転免許の区分
 運転免許には、次の三種のものがあります。
(1) 第一種運転免許  自動車や原動機付自転車を運転しようとする場合((2)の場合を除きます。)の免許をいいます。
(2) 第二種運転免許 乗合バス、タクシーなどの旅客自動車を旅客運送のため運転しようとする場合や代行運転自動車(自動車 運転代行業(注4)に従事する運転者が客に代わつて運転する自動車をいいます。)である普通自動車を運転 しようとする場合の免許をいいます。
(3) 仮運転免許 第一種免許を受けようとする者が、練習などのために大型自動車、中型自動車、準中型自動車又は普通自 動車を運転しようとする場合の免許をいいます。仮運転免許を受けた者が練習のため大型自動車、中型自 動車、準中型自動車又は普通自動車を運転するときは、その車を運転することのできる第一種免許を3年 以上受けている者や第二種免許を受けている者などを横に乗せ、その指導を受けながら運転しなければな りません。この場合、車の前と後ろに仮免許練習標識(付表5(5))を定められた位置に付けなければなり ません。

2 運転免許の種類に応じて運転できる自動車、原動機付自転車は次表のとおりです。

免許の種類 運転できる自動車
大 型 免 許 大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車
中 型 免 許 中型自動車、準中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車
準 中 型 免 許 準中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車
普 通 免 許 普通自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車
大型特殊免許 大型特殊自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車
大型二輪免許 大型自動二輪車、普通自動二輪車、小型特殊自動車、原動機付自転車
普通二輪免許 普通自動二輪車、小型特殊自動車、原動機付自転車
小型特殊免許 小型特殊自動車
原 付 免 許 原動機付自転車


3 けん引免許 大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車のいずれかで他の車をけん引する ときは、けん引する自動車の種類に応じた免許のほか、けん引免許が必要です。しかし、車の総重量(人 や荷物をのせた状態での車全体の重さ)が750キログラム以下の車をけん引するときや故障車をロープ、ク レーンなどでけん引するときは、けん引免許はいりません。

4 緊急自動車の運転資 緊急自動車を運転する場合には、その自動車の運転に必要な運転免許のほかに、運転経験年数や年齢につ いて特別の資格が必要です。


自動車の種類
車体の大きさ等
大型自動車
大型特殊自動車、大型自動二輪車、普通自動二輪車及び小型特殊自動車以外の自動車で、車両総重量が11,000キログラム以上のもの、最大積載量が6,500キログラム以上のもの又は乗車定員が30人以上のもの
中型自動車
大型自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車、普通自動二輪車及び小型特殊自動車以外の自動車で、車両総重量が7,500キログラム以上11,000キログラム未満のもの、最大積載量が4,500キログラム以上6,500キログラム未満のもの又は乗車定員が11人以上29人以下のもの
準中型自動車
大型自動車、中型自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車、普通自動二輪車及び小型特殊自動車以外の自動車で、車両総重量が3,500キログラム以上7,500キログラム未満のもの又は最大積載量が2,000キログラム以上4,500キログラム未満のもの
普通自動車
車体の大きさ等が、大型自動車、中型自動車、準中型自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車、普通自動二輪車又は小型特殊自動車について定められた車体の大きさ等のいずれにも該当しない自動車
大型特殊自動車
カタピラを有する自動車(内閣総理大臣が指定するものを除く。)、ロード・ローラ、タイヤ・ローラ、ロード・スタビライザ、タイヤ・ドーザ、グレーダ、スクレーパ、ショベル・ローダ、ダンパ、モータ・スイーパ、フォーク・リフト、ホイール・クレーン、ストラドル・キャリヤ、アスファルト・フィニッシャ、ホイール・ハンマ、ホイール・ブレーカ、フォーク・ローダ、農耕作業用自動車、ロータリ除雪車、ターレット式構内運搬車、自動車の車台が屈折して操向する構造の自動車及び内閣総理大臣が指定する特殊な構造を有する自動車(この表の小型特殊自動車の項において「特殊自動車」という。)で、小型特殊自動車以外のもの
大型自動二輪車
総排気量が400ccを超え、又は定格出力が20キロワットを超える原動機を有する二輪の自動車(側車付きのものを含む。)で、大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外のもの
普通自動二輪車
二輪の自動車(側車付きのものを含む。)で、大型特殊自動車、大型自動二輪車及び小型特殊自動車以外のもの
小型特殊自動車
特殊自動車で、車体の大きさが下欄に該当するもののうち、一五キロメートル毎時を超える速度を出すことができない構造のもの
 






第3節 自動車の点検


自動車については、日常点検、定期点検を行うほか、燃料、冷却水、エンジンオイル、タイヤの溝の深さ などについては適宜点検し、少しでも悪い箇所があつたら、整備しましよう。 ハンドル、ブレーキ、マフラーその他の各装置が整備されていないため、交通の危険を生じさせたり、有 害なガスや騒音を出してほかの人に迷惑を及ぼしたりするおそれのある車を運転してはいけません。

1 日常点検
日常点検は、自動車の使用者や自動車を運行しようとする者が、日頃自動車を使用していく中で、自分自身の責任において行う点検です。自動車の使用者は、自動車の走行距離や運行時の状態などから判断した適切な時期に、この点検を行わなければなりません。なお、タクシー、ハイヤーなどの事業用の自動車や家用の大型自動車及び中型自動車、準中型貨物自動車、普通貨物自動車、大型特殊自動車、レンタカーなどの使用者又はこれらの自動車を運行しようとする者は、1日1回、運行する前にこの点検を行わなければなりません。標準的な点検の実施の方法は、次の表のとおりです。



2 装備品などの点検
発炎筒、赤ランプなどの非常信号用具を備えなければなりません。また、高速道路(高速自動車国道又は自動車専用道路)を通行するときは、故障などで停止していることを示すための停止表示器材を備え付けるようにしましよう。

3 定期点検
事業用の自動車、自家用の大型自動車及び中型自動車や準中型貨物自動車、普通貨物自動車などのレンタカーについては3箇月ごとに、自家用の準中型貨物自動車及び普通貨物自動車や普通乗用自動車などのレンタカーなどについては6箇月ごとに、自家用の普通乗用自動車などについては1年ごとに点検し、必要な整備をしなければなりません。

第4節 乗車と積載


1 座席でないところに人を乗せたり、荷台や座席でないところに荷物を積んだりしてはいけません。 また、定められた乗車定員(運転者を含みます。)や積載の制限を超えて、人を乗車させたり、物を積んだりしてはいけません。次の表は、大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、大型自動二輪車、普通自動二輪車、原動機付自転車について、それぞれの乗車定員と積載の制限を示しています。

 

2 1の場合であつても、荷物の見張りのため必要最少限度の人を乗せるときや出発地の警察署長の許可を受けたときは別です。
3 自動車に人や荷物をのせるときには、運転の妨げになつたり、自動車の安定が悪くなつたり、外から方向指示器、ナンバープレート、ブレーキ灯、尾灯などが見えにくくなつたりするようなのせ方をしてはいけません。
4 運転者は、人が転落したり、荷物が転落、飛散したりしないようにドアを確実に閉め、ロープやシートを使つて荷物を確実に積まなければなりません。また、荷物が転落、飛散してしまつたときは、速やかにその物を除去するなど必要な措置を採らなければなりません。その場合には後続車などに十分注意しましよう。
5 危険物を運搬するときは、包装、積載などを確実にし、危険物を運搬中であることを示す標示板などを掲げるようにし、また、駐車するときは、危険な場所を避け、危険物を見張りましよう。

第5節 安全運転に必要な知識など


1 視覚の特性
人間の感覚のうち視覚は、安全な運転のために最も大切です。運転中は、特に次のような点に注意しましよう。

(1) 一点だけを注視したり、ぼんやり見ているだけでなく、絶えず前方に注意するとともに、ルームミラーやサイドミラーなどによつて周囲の交通の状況に目を配りましよう。また、高速になると視力が低下し、特に近くのものが見えにくくなるので、注意しましよう。

(2) 疲労の影響は、目に最も強く現われます。疲労の度が高まるにつれて、見落としや見間違いが多くなるので気を付けましよう。

(3) 明るさが急に変わると、視力は、一時急激に低下します。トンネルに入る前やトンネルから出るときは速度を落としましよう。また、夜間は対向車のライトを直視しないようにしましよう

2 自動車に働く自然の力
 安全な運転をするためには、走行中車に働く自然の力とその運転に与える影響について、正しい知識を身 に付けることが必要です。
(1) 摩擦の力
走行中の車は、クラッチを切つても走り続けようとする性質があるため、すぐには止まりません。この車を止めるためには、ブレーキを掛けて車輪の回転を止め、タイヤと路面の間の摩擦抵抗を利用します。ぬれたアスファルト路面を走るときなどは、摩擦抵抗が小さくなり制動距離が長くなります。また、高速転中に急ブレーキを掛けると、車輪がロックし路上を滑るので特に注意しましよう。
(2) 遠心力
自動車がカーブを回ろうとするときには、自動車の重心に遠心力が働き、自動車はカーブの外側に滑り出 そうとします。このため、荷物の積み方が悪く重心の位置が高くなつたり、片寄つたりすると自動車は倒れやすくなります。
遠心力の大きさは、カーブの半径が小さいほど大きくなり、速度の2乗に比例して大きくなります。安全にカーブを回るためには、カーブに入る前の直線部分で早目にブレーキを掛け、十分速度を落としておく必要があります。
(3) 衝撃力
交通事故の大きさは、車が衝突したときに相手に与えたり、自分が受けたりする衝撃力の大きさに関係します。衝撃力は速度と重量に応じて大きくなり、また、固い物にぶつかるときのように、衝撃の作用が短時間に行われるほどその力は大きくなります。例えば、時速60キロメートルでコンクリートの壁に激突した場合は、約14メートルの高さ(ビルの5階程度)から落ちた場合と同じ程度の衝撃力を受けます。高速運
転するときには、特に注意しましよう。
(4) 速度の影響
制動距離、遠心力、衝撃力などは、いずれも速度の2乗に比例して大きくなります。速度が2倍になれば、 制動距離、カーブで車の横滑りや転倒をさせようとする力、交通事故の大きさに関係する衝撃力は、2倍になるのではなく、4倍になります。

3 交通公害、地球温暖化の防止など
(1) 自動車の排出ガスや騒音、振動によつて、被害を受けている住民は少なくありません。道路を通行するときは、最高速度や積載制限などの規制を守り、不必要な急発進や急ブレーキ、空ぶかしを避けるなど交通公害を少なくするよう努めましよう。
(2) 自動車の排出ガスの中には、一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物など人体に有害な物質が含まれており、これらの排出ガスが大気を汚染する原因のひとつとなつています。大気汚染により、光化学スモッグが発生したときや発生するおそれのあるときは、自動車の使用を控えましよう。
(3) 地球温暖化の一因となつている二酸化炭素や人体に有害な物質である窒素酸化物等の排出削減のために、やさしい発進、加速度の少ない運転、駐停車時のアイドリングストップなどの環境負荷の軽減に配慮した自動車の使用(エコドライブ)に努めましよう。

4 運転適性
運転についての適性を自覚することは、安全な運転のために大切なことです。運転適性についての指導
は、各都道府県の交通安全活動推進センターなどで行つていますので、利用しましよう。

注4 自動車運転代行業……他人に代わつて自動車を運転するサービスを提供する営業で、次のいずれにも当たるものをいいます。
(1) 主として、夜間に、飲食店などで飲酒をして酒気を帯びている客に代わつて自動車を運転するサービスを提供するものであること。
(2) 酒気を帯びている客などを乗車させるものであること。
(3) 通常の営業形態として、客に代わつて運転する自動車に、業務用の自動車(随伴用自動車といいます。)が随伴するものであること。

注5 ミニカー……総排気量については50cc以下、定格出力については0.60キロワット以下の原動機を有する普通自動車をいいます。

注6 特定の構造の農業用薬剤散布車……時速35キロメートル以上の速度を出すことができない構造の農業用薬剤を散布するための普通自動車をいいます。




第5章 自動車の運転の方法

第1節 安全な発進


1 車の乗り降り
(1) 乗り降りするときは、周囲の状況、特に後方からの車の有無を確かめ、交通量の多いところでは左側のドアから乗り降りしましよう。乗つてからドアを閉めるときは、少し手前で一度止め、力を入れて閉めるようにしましよう。また、降りるためにドアを開けるときは、まず少し開けて一度止め、安全を確かめてから降りましよう。降りるときの最初に少し開ける動作は、他の交通への合図にもなります。
(2) ドアを開けるときや、車から降りるときには、運転者は後方の安全を確認しなければなりません。
また、ドアをロックし、同乗者がドアを不用意に開けたりしないように注意しなければなりません。

2 運転姿勢など
(1) ゆとりのある正しい運転姿勢は、安全運転の第一歩です。シートの前後の位置は、クラッチを踏み込んだとき、ひざがわずかに曲がる状態に合わせ、シートの背は、ハンドルに両手を掛けたとき、ひじがわずかに曲がる状態に合わせることが大切です。体を斜めにして運転するのはやめましよう。
(2) 運転するときは、活動しやすいような服装をしましよう。また、げたやハイヒールなどを履いて運転したりしてはいけません。
(3) ひじを窓わくに載せて運転するのはやめましよう。
(4) 走行中に携帯電話などを使用したり、カーナビゲーション装置などに表示された画像を注視したりすることにより、周囲の交通の状況などに対する注意が不十分になると大変危険です。走行中は携帯電話などを使用したり、カーナビゲーション装置などに表示された画像を注視したりしてはいけません。
 また、携帯電話などについては、運転する前に電源を切つたり、ドライブモードに設定したりするなどして呼出音が鳴らないようにしましょう。

3 シートベルトの着用
(1) シートベルトは、交通事故に遭つた場合の被害を大幅に軽減するとともに、正しい運転姿勢を保たせることにより疲労を軽減するなど、さまざまな効果があります。シートベルトを備えている自動車を運転するときは、運転者自身がこれを着用するとともに、助手席や後部座席の同乗者にもこれを着用させなければなりません。(その自動車がエアバッグを備えている場合も同じです。)しかし、病気などやむを得ない理由がある場合は別です。
(2) シートベルトは、正しく着用しましよう。正しい着用の方法は次のとおりです。
ア シートの背は倒さずに、シートに深く腰掛けましよう。
イ 腰ベルトは骨盤を巻くように、しつかり締めましよう。
ウ 肩ベルト(三点式ベルトの場合)は、首にかからないようにしましよう。また、肩ベルトがたるんでいると事故の際危険ですので注意しましよう。
エ バックルの金具は確実に差し込み、シートベルトが外れないようにしましよう。
オ ベルトがねじれていないかどうか確認しましよう。
(3) 妊娠中のシートベルトの着用
 妊娠中であつても、シートベルトを正しく着用することにより、交通事故に遭つた際の被害から母体と胎児を守ることができます。ただし、妊娠の状態は個人により異なりますので、シートベルトを着用することが健康保持上適当かどうか、医師に確認するようにしましよう。
 妊娠中は、事故などの際の胎児への影響を少なくするために、腰ベルトのみの着用は行わず、腰ベルトと肩ベルトを共に着用するとともに、大きくなつた腹部をベルトが横切らないようにするなど、正しくシートベルトを着用することが必要です。
4 チャイルドシートの使用
(1) チャイルドシートは、交通事故に遭つた場合の被害を大幅に軽減するとともに、子供が運転操作の支障となることを防止する効果もありますので、シートベルトを適切に着用させることができない子供にはチャイルドシートを使用させましよう。
特に、幼児を自動車に乗せるときは、その幼児に発育の程度に応じた形状のチャイルドシートを使用させなければなりません。しかし、病気などやむを得ない理由がある場合は別です。
(2) チャイルドシートは、使用の方法を誤ると、効果がなくなりますので、取扱説明書などに従つて、正しく使用させましよう。正しい使用の方法は、次のとおりです。
ア 子供の体格に合い、座席に確実に固定できるチャイルドシートを選びましよう。
イ 助手席用のエアバッグを備えている自動車の場合には、なるべく後部座席でチャイルドシートを使用させましよう。やむを得ず助手席で使用させるときは、座席をできるだけ後ろまで下げ、必ず前向きに固定しましよう。
ウ チャイルドシートは、座席に確実に固定しましよう。

5 発進に当たつての安全確認
(1) 車に乗る前に、車の前後に人がいないか、車の下に子供がいないかを確かめましよう。
(2) 方向指示器などによつて発進の合図をし、もう一度バックミラーなどで前後左右の安全を確かめてから発進しましよう。
(3) バックで発進することは危険ですから、車庫などに入れるときは、あらかじめ発進しやすいようにバックで入れておきましよう。やむを得ずバックで発進する場合で、後方の見通しがよくない場合や狭い道路から広い道路に出るときは、同乗者などに後方の確認を手伝つてもらいましよう。

6 路端からの発進
大型自動車、中型自動車及び準中型自動車は、普通自動車に比べ、車軸の前後に車体が長く、タイヤの軌跡の外側を車体が通るので、路端に駐停車している状態から発進するときには、車体の前後部が車や歩行者などにぶつからないよう注意しましよう。

7 走行に当たつての安全確認
自動車の運転席から見える範囲には、その自動車自体の構造により差があるものの、車や歩行者などが見えなくなる範囲があります。特に、大型自動車、中型自動車及び準中型自動車は、普通自動車に比べ、運転席から車や歩行者が見えなくなる範囲が広いので注意しましよう。

第2節 自動車の通行するところ


1 道路の左側を走ること
道路の中央(中央線があるときは、その中央線)から左の部分を通行しなければなりません。しかし、次の場合には、道路の中央から右の部分にはみ出して通行することができますが、この場合でも、(1)の場合のほかは、はみ出し方ができるだけ少なくなるようにしなければなりません。
(1) 一方通行となつているとき。
(2) 工事などのため左側部分だけでは、通行するのに十分な幅がないとき。
(3) 左側部分の幅が6メートル未満の見通しのよい道路でほかの車を追い越そうとするとき。
(4) こう配の急な道路の曲がり角付近で、「右側通行」の標示があるとき。

2 道路の左寄りに走ること
(1) 車両通行帯(車線やレーンともいいます。)のない道路では、追越しなどでやむを得ない場合のほかは、道路の左に寄つて通行しなければなりません。
(2) 同一の方向に二つの車両通行帯があるときは、左側の車両通行帯を通行しなければなりません。また、三つ以上の車両通行帯があるときは、最も右側の車両通行帯は追越しのために空けておき、それ以外の車両通行帯を通行することができます。この場合には、速度の遅い車が左側、速度が速くなるにつれて順次右側寄りの車両通行帯を通行しましよう。しかし、標識や標示によつて通行区分が示されているとき
は、それに従わなければなりません。
(3) 追越しのため最も右側の車両通行帯を通行する場合であつても、前の車を追い越し終わつたときは、速やかにそれ以外の車両通行帯に戻らなければなりません。

3 車線を変えずに走ること
車両通行帯のある道路では、追越しなどでやむを得ない場合のほかは、車両通行帯からはみ出したり、二の車両通行帯にまたがつたりして通行してはいけません。また、車両通行帯をみだりに変えて通行すると、後続車の迷惑となり、ひいては事故の原因ともなりますから、同一の車両通行帯を通行しなければなりません。

4 高さに制限のある場所の通行
大型自動車、中型自動車及び準中型自動車は、普通自動車に比べ、車体の高さが高いことから、通行できる自動車の高さに制限のある場所を通過する場合には、その高さの制限以下であることを確認しましょう。特に、荷台の積載物の高さが通行できる自動車の高さの制限を超えてしまう場合があるので注意しましょう。

5 緊急自動車の優先
緊急自動車が近づいてきたときは、交差点の付近では、交差点を避けて、道路の左側に寄つて一時停止をし、その他のところでは、道路の左側に寄つて進路を譲らなければなりません。しかし、一方通行の道路で左側に寄ると、かえつて緊急自動車の妨げとなるようなときは、右側に寄らなければなりません。

6 路線バスなどの優先
(1) 停留所で止まつている路線バスなどが方向指示器などで発進の合図をしたときは、後方の車はその発進を妨げてはいけません。しかし、急ブレーキや急ハンドルで避けなければならないような場合は別です。
(2) 標識や標示によつて路線バスなどの専用通行帯が指定されている道路では、小型特殊自動車、原動機付自転車、軽車両を除くほかの車は、その車両通行帯を通行してはいけません。ただし、標識や標示によつて普通自転車の専用通行帯が指定されている道路では、軽車両を除くほかの車は、その車両通行帯を通行してはいけません。しかし、右左折をするため道路の右端、中央や左端に寄る場合などや工事などでやむを得ない場合は別です。
(3) 標識や標示によつて路線バスなどの優先通行帯が指定されている道路では、優先通行帯を通行している自動車は、路線バスなどが近づいてきたときは、速やかにそこから出なければなりません。また、交通が混雑していて、路線バスなどが近づいてきてもそこから出られなくなるおそれがあるときは、はじめからその通行帯を通行してはいけません。しかし、右左折をするため道路の右端、中央や左端に寄る場合な どや工事などでやむを得ない場合は別です。

7 通行してはいけないところ
(1) 「通行止め」、「車両通行止め」、「自転車及び歩行者専用」、「歩行者専用」などの標識によつて通行が禁止されている道路を通行してはいけません。
(2) 歩道や路側帯や自転車道などを通行してはいけません。しかし、道路に面した場所に出入りするために横切る場合などは別です。
(3) 安全地帯や「立入り禁止部分」の標示によつて車の通行が禁止されている場所に入つてはいけません。
(4) 歩道や路側帯のない道路を通行するときは、路肩(路端から0.5メートルの部分)にはみ出して通行してはいけません。
(5) 軌道敷内を通行してはいけません。しかし、「軌道敷内通行可」の標識によつて認められた車が通行する場合や右折する場合などは別です。
(6) 軌道敷内を通行している車は、後方から路面電車が近づいてきたときは、路面電車の進行を妨げないように速やかに軌道敷外に出るか、十分な距離を保たなければなりません。

第3節 歩行者の保護など


1 歩行者のそばを通るとき
(1) 歩行者のそばを通るときは、歩行者との間に安全な間隔を空けるか、徐行しなければなりません。
(2) 歩行者がいる安全地帯のそばを通るときは、徐行しなければなりません。
(3) 停留所で止まつている路面電車の後方では停止し、乗り降りする人や道路を横断する人がいなくなるまで待たなければなりません。しかし、乗り降りする人がいないときで路面電車との間に1.5メートル以上あるときや安全地帯があるときは、徐行して進むことができます。
(4) ぬかるみや水たまりのあるところでは、泥や水をはねて他人に迷惑を掛けないように徐行するなど注意して通らなければなりません。
(5) 止まつている車のそばを通るときは、急にドアが開いたり、車の陰から人が飛び出したりする場合があるので注意しましよう。

2 歩行者が横断しているときなど
(1) 横断歩道のない交差点やその近くを歩行者が横断しているときは、その進行を妨げてはいけません。
(2) 横断歩道や自転車横断帯に近づいたときは、横断する人や自転車がいないことが明らかな場合のほかは、その手前で停止できるように速度を落として進まなければなりません。また、歩行者や自転車が横断しているときや横断しようとしているときは、横断歩道や自転車横断帯の手前(停止線があるときは、その手前)で一時停止をして歩行者や自転車に道を譲らなければなりません。
(3) 横断歩道や自転車横断帯やその手前で止まつている車があるときは、そのそばを通つて前方に出る前に一時停止をしなければなりません。
(4) 横断歩道や自転車横断帯とその手前から30メートル以内の場所では、ほかの車を追い越したり、追い抜いたりしてはいけません。
(5) 横断歩道や自転車横断帯のない場所でも、歩行者が横断することがありますので、注意しましょう。

3 身体の不自由な人の保護
身体障害者用の車いすで通行している人がいる場合や白や黄のつえを持つた人や盲導犬を連れた人が歩いている場合には、一時停止か徐行をして、これらの人が安全に通れるようにしなければなりません。

4 子供の保護
(1) 子供が独りで歩いている場合には、一時停止か徐行をして、安全に通れるようにしなければなりません。子供は、興味をひくものに夢中になり、突然路上に飛び出したり、判断力が未熟なために、無理に道路を横断しようとしたりすることがあるので、特に注意しましよう。
(2) 止まつている通学通園バスのそばを通るときは、徐行して安全を確かめなければなりません。
(3) 学校、幼稚園、遊園地などの付近や通学路の標識のあるところでは、子供が突然飛び出してくることがあるので、特に注意しましよう。

5 高齢者の保護
 つえを持つて歩いていたり、歩行補助車を使つていたり、その通行に支障のある高齢者が通行している場合には、一時停止か徐行をして、これらの人が安全に通れるようにしなければなりません。高齢者は、加齢に伴う身体の機能の変化により、個人差があるものの、一般的に歩行が遅くなつたり、危険を回避するためにとつさの行動をとることが困難となつたり、危険の発見や回避が遅れがちになつたり、歩行が不安定になつたりするので、特に注意しましよう。また、高齢の歩行者の事故は、高齢者が車の直前又は直後を横断しているときに多く起こつていますので、注意しましょう。

6 歩行者用道路を通行するとき
(1) 歩行者用道路では、沿道に車庫を持つ車などで特に通行を認められた車だけが通行できます。この場合は、特に歩行者に注意して徐行しなければなりません。
(2) 道路に面した場所に出入りするため歩道や路側帯を横切る場合には、その直前で一時停止をするとともに、歩行者の通行を妨げないようにしなければなりません。

7 自転車の保護
(1) 自転車は車両の一種であり、原則として車道を通行することとされています。自転車は、不安定であり、運転者の身体を防護する機能がないという構造上の特性を持つているので、車道を通行する自転車の安全に十分配慮しましよう。
(2) 追越しなどのため自転車のそばを通るときは、自転車のふらつきなどを予想し、自転車との間に安全な間隔を空けるか、徐行しなければなりません。
(3) 道路に面した場所に出入りするため歩道や路側帯や自転車道を横切る場合には、その直前で一時停止をし、自転車がいないかを確かめるようにしましよう。
(4) 交差点を通行するときは、交差する道路や交差点内を通行する自転車との衝突や、左側を通行している自転車の巻き込みなどに十分注意するとともに、自転車の運転者が自動車の存在を認識しているかどうか確認しながら通行するようにしましよう。

8 初心運転者などの保護
(1) 危険を避けるためやむを得ない場合のほか、次の車の側方に幅寄せをしたり、前方に無理に割り込んではいけません。
ア 普通免許を受けて1年を経過していない初心運転者が運転している初心者マークを付けた普通自動車
イ 70歳以上の高齢者が運転している高齢者マークを付けた普通自動車
ウ 聴覚障害のある運転者が運転している聴覚障害者マークを付けた準中型自動車又は普通自動車
エ 身体の不自由な運転者が運転している身体障害者マークを付けた普通自動車
オ 仮免許で練習中の者が運転している自動車
(2) 聴覚障害者マークを付けた準中型自動車又は普通自動車の運転者は警音器の音が聞こえないことがあるので、安全に通行できるように配慮しましょう。

9 暴走行為の禁止
車を運転して集団で走行する場合は、ジグザグ運転や巻き込み運転など、ほかの車に危険を生じさせたり、迷惑を及ぼすこととなるような行為をしてはいけません。

10 騒音運転などの禁止
著しく他人に迷惑を及ぼす騒音を生じさせるような急発進、急加速や空ぶかしをしてはいけません。

第4節 安全な速度と車間距離


1 安全な速度
(1) 自動車を運転する場合は、標識や標示によつて示されている最高速度を超えて運転してはいけません。
 標識や標示で指定されていないときは、時速60キロメートルを超えて運転してはいけません。

(2) 原動機付自転車を運転する場合は、時速30キロメートルを超えて運転してはいけません。標識や標示によつて時速30キロメートル以下の最高速度が示されているときは、その最高速度を超えて運転しては いけません。
(3) 決められた速度の範囲内であつても、道路や交通の状況、天候や視界などをよく考えて、安全な速度で走りましよう。

2 停止距離と車間距離
(1) 車は、急には止まれません。停止するまでには、運転者が危険を感じてからブレーキを踏み、ブレーキが実際に効き始めるまでの間に車が走る距離(空走距離)と、ブレーキが効き始めてから車が停止するまでの距離(制動距離)とを合わせた距離(停止距離)を必要とします。この停止距離を考えて、危険が発生した場合でも、安全に停止できるような速度で運転しましよう。
(2) 運転者が疲れているときは、危険を認知して判断するまでに時間がかかるので、空走距離は長くなります。また雨にぬれた道路を走る場合や重い荷物を積んでいる場合などは制動距離が長くなります。
(3) 路面が雨にぬれ、タイヤがすり減つている場合の停止距離は、乾燥した路面でタイヤの状態が良い場合に比べて2倍程度に延びることがあります。
(4) 天候、路面やタイヤの状態、荷物の重さなどを考えに入れ、前の車が急に止まつても、これに追突しないような安全な車間距離をとらなければなりません。特に、大型自動車、中型自動車及び準中型自動車は、普通自動車に比べ、運転席の位置が高く、見下ろす形になり、車間距離が実際より長く感じられるため、車間距離が短くなりやすいので注意しましよう。

3 ブレーキの掛け方
ブレーキは、次の注意に従つて上手に掛けましょう。
(1) 最初はできるだけ軽く踏み込みましよう。それから必要な強さまで徐々に踏み込んでいきます。
(2) ブレーキは数回に分けて使いましよう。この方法は、道路が滑りやすい状態のときには、とりわけ効果的です。また、数回に分けて使えば、ブレーキ灯が点滅し、後車への合図となつて追突事故防止に役立ちます。
(3) 危険を避けるためにやむを得ない場合のほかは、急ブレーキを掛けてはいけません。なお、アンチロックブレーキシステム(走行中の自動車の制御に著しい支障を及ぼす車輪の回転運動の停止を有効に防止できる装置をいいます。)を備えた自動車で急ブレーキを掛ける場合には、システムを作動させるために、一気に強く踏み込み、そのまま踏み込み続けることが必要です。
(4) むやみにブレーキを使わず、なるべくアクセルの操作で徐々に速度を落としてから止まるようにしましよう。

4 徐行
次の場所を通行するときは、徐行しなければなりません。徐行とは、車がすぐ停止できるような速度で進むことをいいます。
(1) 「徐行」の標識があるところ
(2) 左右の見通しがきかない交差点(信号機などによる交通整理が行われている場合や優先道路を通行している場合を除きます。)
(3) 道路の曲がり角付近
(4) 上り坂の頂上付近やこう配の急な下り坂

第5節 進路変更など


1 安全の確認と合図
(1) 進路変更、転回、後退などをしようとするとき(環状交差点でこれらの行為をしようとするときを除きます。)は、あらかじめバックミラーなどで安全を確かめてから合図をしなければなりません。合図の 仕方は次表のとおりです。

(2) 環状交差点を出ようとするときや環状交差点で後退などをしようとするときは、あらかじめバックミラーなどで安全を確かめてから合図をしなければなりません。合図の仕方は次表のとおりです。

(3) これらの行為を終わつたときは、速やかに合図をやめなければなりません。また、必要がないのに合図をしてはいけません。
(4) 夕日の反射などによつて方向指示器が見えにくい場合には、方向指示器の操作と併せて、手による合図を行うようにしましよう。
(5) 警音器は「警笛鳴らせ」の標識がある場所を通るときや、「警笛区間」の標識がある区間内で見通しのきかない交差点、曲がり角、上り坂の頂上を通るときには、鳴らさなければなりません。
 また、危険を避けるためやむを得ない場合は、鳴らすことができますが、これらの場合以外は鳴らしてはいけません。

2 進路変更
(1) みだりに進路を変更してはいけません。また、進路を変更すると、後から来る車が急ブレーキや急ハンドルで避けなければならないような場合には、進路を変えてはいけません。やむを得ず進路を変更するときは、バックミラーや目視で安全を確認してから変更しましよう。
(2) 車両通行帯が黄の線で区画されている場合は、この黄の線を越えて進路を変更してはいけません。
 また、白の線で区画されている場合でも、自分が通行している車両通行帯の側に平行して黄の線が引かれているときは同じです。

3 横断など
(1) 歩行者の通行やほかの車などの正常な通行を妨げるおそれがあるときは、横断や転回や後退をしたり、道路に面した場所に出入りするために右左折や横断をしたりしてはいけません。
(2) 標識や標示によつて横断や転回が禁止されているところでは、横断や転回をしてはいけません。
(3) 道路外に出るため、左折しようとするときは道路の左端に、右折しようとするときは道路の中央(一方通行の道路では、右端)に、あらかじめできるだけ寄つて徐行しなければなりません。
(4) 前の車が道路外に出るため道路の左端や中央や右端に寄ろうとして合図をしている場合は、その進 路の変更を妨げてはいけません。しかし、急ブレーキや急ハンドルで避けなければならないような場合は別です。

 

第6節 追越しなど


1 追越しの禁止
(1) 追越しとは、車が進路を変えて、進行中の前の車の前方に出ることをいいます。追越しは、進路を変え、加速した上で再び進路を戻すという複雑な運転操作を必要とします。
(2) 次の場合は危険ですから追越しをしてはいけません。
ア 前の車が自動車を追い越そうとしているとき(二重追越し)。
イ 前の車が右折などのため右側に進路を変えようとしているとき。
ウ 道路の右側部分に入つて追越しをしようとする場合に、反対方向からの車や路面電車の進行を妨げるようなときや前の車の進行を妨げなければ道路の左側部分に戻ることができないようなとき。
エ 後ろの車が自分の車を追い越そうとしているとき。
(3) 次の場所では、自動車や原動機付自転車を追い越すため、進路を変えたり、その横を通り過ぎたりしてはいけません。
ア 標識により追越しが禁止されている場所
イ 道路の曲がり角付近
ウ 上り坂の頂上付近やこう配の急な下り坂
エ トンネル(車両通行帯がある場合を除きます。)
オ 交差点とその手前から30メートル以内の場所(優先道路を通行している場合を除きます。)
カ 踏切、横断歩道、自転車横断帯とその手前から30メートル以内の場所
(4) 標識や標示で示されているときは、追越しのために道路の右側部分にはみ出して通行してはいけません。

2 追越しの方法
(1) ほかの車を追い越すときは、その右側を通行しなければなりません。しかし、ほかの車が右折するため、道路の中央(一方通行の道路では、右端)に寄つて通行しているときや、路面電車を追い越そうとするときは、その左端を通行しなければなりません。
(2) 追越し中は、追い越す車との間に、安全な間隔を保つようにしなければなりません。
(3) 車両通行帯のある道路で、最も右側の車両通行帯を通行して追越しをする場合は、追越しが終わつたときは、速やかにそれ以外の車両通行帯に戻らなければなりません。最も右側の車両通行帯を通行し続けると、速度超過になつたり、車間距離が短くなつたりして危険です。また、ほかの車の追越しを妨害し、交通の流れを阻害するなど、迷惑にもなります。
(4) 追い越されるときは、追越しが終わるまで速度を上げてはいけません。また、追越しに十分な余地のない場合は、できるだけ左に寄り進路を譲らなければなりません。
3 追越しの運転手順

追越しは、次の順序でしましよう。
(1) 追越し禁止の場所でないことを確かめる。
(2) 前方の安全を確かめるとともに、バックミラーなどで右側や右斜め後方の安全を確かめる。道路の右側部分にはみ出した追越しをする場合には反対方向の安全を必ず確かめる。
(3) 右側の方向指示器を出す。
(4) 約3秒後、最高速度の制限内で加速しながら進路を緩やかに右にとり、前の車の右側を安全な間隔を保ちながら通過する。
(5) 左側の方向指示器を出す。
(6) 追い越した車がルームミラーで見えるくらいの距離までそのまま進み、進路を緩やかに左にとる。
(7) 合図をやめる。

4 割込みなど
前の車が交差点や踏切などで停止や徐行しているときは、その前に割り込んだり、その前を横切つたりしてはいけません。また、そのほかの場合でも、ほかの車の前方に急に割り込んだり、並進している車に幅寄せをしたりしてはいけません。

5 行き違い
(1) 対向車と行き違うときは、安全な間隔を保つようにしましよう。
(2) 進路の前方に障害物があるときは、あらかじめ一時停止か減速をして、反対方向からの車に道を譲りましよう。

第7節 交差点の通り方


1 交差点を通行するときの注意
(1) 交差点とその付近は、最も事故が多い場所です。交差点(環状交差点を除きます。)に入ろうとするときや、交差点内(環状交差点内を除きます。)を通行するときは、右折車、歩行者などに気を配りながら、交差点の状況に応じてできる限り安全な速度と方法で進行しなければなりません。特に右折しょうとするときは、対向車線を直進する二輪車が見えにくくなることがあるので、十分注意しましよう。
(2) 環状交差点に入ろうとするときや、環状交差点内を通行するときは、環状交差点内を通行する車、環状交差点に入ろうとする車、歩行者などに気を配りながら、環状交差点の状況に応じてできる限り安全な速度と方法で進行しなければなりません。
(3) 車が右左折するときは、内輪差(曲がるとき後輪が前輪より内側を通ることによる前後輪の軌跡の差をいいます。)が生じます。特に大型車は内輪差が大きく、左後方が見えにくいので左側を通行している歩行者や自転車などを巻き込まないよう注意しましよう。

2 交差点(環状交差点を除きます。)の通行方法
(1) 左折しようとするときは、あらかじめできるだけ道路の左端に寄り、交差点の側端に沿つて徐行しながら通行しなければなりません。
(2) 右折しようとするときは、あらかじめできるだけ道路の中央に寄り、交差点の中心のすぐ内側を徐行しながら通行しなければなりません。ただし、原動機付自転車が二段階の右折方法により右折しようとするときは別です。
(3) 一方通行の道路から右折するときは、道路の右端に寄り、交差点の中心の内側を徐行しながら通行しなければなりません。ただし、原動機付自転車が二段階の右折方法により右折しようとするときは別です。
(4) 右左折の場合、矢印などの標示で通行方法を指定されているときは、それに従わねばなりません。
(5) 右折しようとする場合に、その交差点で直進か左折をする車や路面電車があるときは、自分の車が先に交差点に入つていても、その進行を妨げてはいけません。
(6) 車両通行帯のある道路で、標識や標示によつて交差点で進行する方向ごとに通行区分が指定されているときは、緊急自動車が近づいて来た場合や道路工事などでやむを得ない場合のほかは、指定された区分に従つて通行しなければなりません。ただし、右折につき二段階の右折方法によらなければならない交差点において右左折しようとする原動機付自転車は、道路の左端に寄つて通行しなければなりません。
(7) 標識によつて直進や左折など進行方向が指定されている交差点では、その指定された方向にしか進行してはいけません。
(8) 前の車が、右左折するためや標識や標示により指定された車両通行帯を通行するためなどで進路を変えようとして合図をしたときは、その車の進路の変更を妨げてはいけません。しかし、急ブレーキや急ハンドルで避けなければならないような場合は別です。
(9) 前方の交通が混雑しているため交差点内で止まつてしまい交差方向の車の通行を妨げるおそれがあるときは、信号が青でも交差点に入つてはいけません。また、警察署や消防署の前などで「停止禁止部分」の標示のある場所や横断歩道や踏切で動きがとれなくなるおそれがあるときも同じです。

3 交通整理の行われていない交差点(環状交差点を除きます。)の通行方法
(1) 交差する道路が優先道路であるときやその幅が広いときは、徐行するとともに、交差する道路を通行する車や路面電車の進行を妨げてはいけません。
(2) 道幅が同じような道路の交差点では、路面電車や左方から来る車があるときは、その路面電車や車の進行を妨げてはいけません。
(3) 「一時停止」の標識があるときは、停止線の直前(停止線がないときは、交差点の直前)で一時停止をするとともに、交差する道路を通行する車や路面電車の進行を妨げてはいけません。また、進行方向に赤の点滅信号があるときも同じです。
(4) 進行方向に黄の点滅信号があるときは、他の交通に注意して進行することができます。

4 環状交差点の通行方法
(1) 左折、右折、直進、転回しようとするときは、あらかじめできるだけ道路の左端に寄り、環状交差点の側端に沿つて徐行しながら通行しなければなりません。
(2) 左折、右折、直進、転回の場合、矢印などの標示で通行方法を指定されているときは、それに従わなければなりません。
(3) 環状交差点に入ろうとするときは、徐行するとともに、環状交差点内を通行する車や路面電車の進行を妨げてはなりません。

第8節 駐車と停車


1 駐車と停車の意味
駐車とは、車が継続的に停止することや運転者が車から離れていてすぐに運転できない状態で停止することをいいます。人の乗り降りや、5分以内の荷物の積卸しのための停止の場合は駐車になりません。
停車とは、駐車にあたらない短時間の車の停止をいいます。

2 駐車、停車の禁止
(1) 違法な駐停車は付近の交通を混雑させるとともに、道路の見通しを悪くするため、飛び出し事故などの原因となります。また、パトカー、消防車など緊急自動車の通行を妨げるおそれもあります。駐停車しようとする場合には必ず駐停車できる場所であることを確認しましよう。
(2) 次の場所では、駐車や停車もしてはいけません。ただし、赤信号や危険防止のために一時停止する場合などは別です。
ア 「駐停車禁止」の標識や標示のある場所
イ 軌道敷内
ウ 坂の頂上付近やこう配の急な坂
エ トンネル
オ 交差点とその端から5メートル以内の場所
カ 道路の曲がり角から5メートル以内の場所
キ 横断歩道、自転車横断帯とその端から前後に5メートル以内の場所
ク 踏切とその端から前後10メートル以内の場所
ケ 安全地帯の左側とその前後10メートル以内の場所
コ バス、路面電車の停留所の標示板(標示柱)から10メートル以内の場所(運行時間中に限ります。)
(3) 次の場所では駐車してはいけません。しかし、警察署長の許可を受けたときは別です。
ア 標識や標示によつて駐車が禁止されている場所
イ 火災報知機から1メートル以内の場所
ウ 駐車場、車庫などの自動車用の出入口から3メートル以内の場所
エ 道路工事の区域の端から5メートル以内の場所
オ 消防用機械器具の置場、消防用防火水そう、これらの道路に接する出入口から5メートル以内の場所
カ 消火せん、指定消防水利の標識が設けられている位置や消防用防火水そうの取り入れ口から5メートル
以内の場所
(4) 駐車した場合、車の右側の道路上に3.5メートル以上の余地がなくなる場所では駐車してはいけません。また、標識により余地が指定されているときには、その余地がとれない場所では駐車してはいけません。しかし、荷物の積卸しで運転者がすぐ運転できるときや傷病者の救護のためやむを得ないときは、駐車できます。
(5) 駐停車や駐車が禁止されている場所であつても標識により特に認められている場合は駐車や停車ができます。

3 駐車、停車の方法
駐車や停車は次の方法でしなければなりません。
(1) 歩道や路側帯のない道路では、道路の左端に沿うこと。
(2) 歩道や路側帯のある一般道路では、車道の左端に沿うこと。
(3) 路側帯の幅が広い場合には、路側帯に入れますが、このときは0.75メートル以上の余地を空けておかなければなりません。ただし、路側帯の幅が広い場合でも、白の実線と破線の標示や、白の2本線の標示のあるところでは、路側帯に入れません。
(4) 高速道路では歩行者の通行が禁止されているので、路側帯に入つて、道路の左端に沿うこと。
(5) 道路に平行して駐停車している車と並んで駐停車しないこと。
(6) 標識や標示により駐停車の方法が指定されているときはその方法に従うこと。

4 時間制限駐車区間での駐車
都市部においては、多くの場合、駐車が禁止されていますから、パーキング・メーターやパーキング・チケット発給設備の在る場所で手数料を支払つて駐車する場合のほかは、道路上での駐車は原則としてできません。
パーキング・メーター等が在る場所で駐車するときは、次のようにしなければなりません。
(1) パーキング・メーターが在る時間制限駐車区間で駐車するときは、パーキング・メーターを直ちに作動させること。
(2) パーキング・チケット発給設備が在る時間制限駐車区間で駐車するときは、パーキング・チケット発給設備からパーキング・チケットの発給を直ちに受け、駐車している間、これを車の前面の見やすい場所に前方から見やすいように掲示すること。
(3) 時間制限駐車区間では、パーキング・メーターが車を感知した時又はパーキング・チケットの発給を受けた時から、標識によつて表示されている時間を超えて駐車しないこと。

5 高齢運転者等専用場所等での駐車、停車

(1) 駐停車や駐車が禁止されている場所であつても、標識により標章車に限り駐車や停車が認められている場所(高齢運転者等専用場所)では、専用場所駐車標章に登録(車両)番号が記載されている普通自動車
(車両)番号が記載されている普通自動車のみが駐車や停車ができます。
(2) 標識により標章車に限り駐車が認められている時間制限駐車区間(高齢運転者等専用時間制限駐車区間)では、専用場所駐車標章に登録(車両)番号が記載されている普通自動車のみが駐車できます。
(3) 専用場所駐車標章は、普通自動車を運転することができる免許を受けた者で次に当たるものに限り、公安委員会に申請して、交付を受けることができます。
ア 70歳以上の高齢運転者
イ 両耳の聴力が補聴器を用いても10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえない程度の聴覚障害のあることを理由に免許に条件を付されている運転者
ウ 肢体不自由であることを理由に免許に条件を付されている運転者
エ 妊娠中又は出産後8週間以内の運転者
(4) 高齢運転者等専用場所又は高齢運転者等専用時間制限駐車区間で駐車や停車をするときは、駐車や停車をしている間、専用場所駐車標章を普通自動車の前面の見やすい場所に掲示しなければなりません。
(5) 高齢運転者等専用場所又は高齢運転者等専用時間制限駐車区間では、公安委員会から専用場所駐車標章の交付を受けていない者は、駐車や停車をしてはいけません。

6 車の移動など
(1) 違法に駐車している車の運転者やその車の管理について責任がある者は、現場で警察官や交通巡視員からその車を移動するように命じられたときは、直ちにその車を移動しなければなりません。
(2) 違法に駐車している車については、現場に運転者やその車の管理について責任がある者がいないために、警察官や交通巡視員がその車を移動すべきことを命令することができないときは、レッカー車により移動されることがあります。
(3) 車の移動、保管などに要した費用は、車の運転者、使用者、所有者などの負担となります。
(4) 車輪止め装置取付け区間において違法に駐車している車に対しては、車輪止め装置と車輪止め標章が取り付けられることがあります。車輪止め装置は、警察署長が車輪止め装置を取り付けた車の所有者、使用者又は関係者から車を移動しようとする旨の申告を受けたときに取り除き、また、車輪止め標章は、警察署長が車輪止め装置を取り除くときに取り除きますので、車輪止め装置を壊したり、取り除いたり、車輪止め標章を破つたり、汚したり、取り除いたりしてはいけません。

7 放置車両確認標章
(1) 違法に駐車している車に対しては、放置車両確認標章が取り付けられることがあります。放置車両確認標章を取り付けられた車の使用者は、公安委員会から、放置違反金の納付を命ぜられることがあります。
(2) 放置車両確認標章は、破つたり、汚したり、取り除いたりしてはいけません。
(3) 放置車両確認標章を取り付けられた車の使用者、運転者やその車の管理について責任がある者は、これを取り除くことができます。運転するときは、交通事故防止のため、放置車両確認標章を取り除きましょう。

8 駐車についての相談など
各都道府県の交通安全活動推進センターは、駐車や交通規制などについての照会や相談に応じていますので、利用しましよう。

9 自動車の保管場所
(1) 自動車の保有者は、住所など自動車の使用の本拠の位置から2キロメートル以内の、道路以外の場所に保管場所を確保しなければなりません。
(2) 道路を車庫がわりに使用してはいけません。道路上に駐車する場合、同じ場所に引き続き12時間(夜間は8時間)以上駐車してはいけません(特定の村の区域内の道路を除きます。)。

10 車から離れるときの義務
(1) 危険防止のための措置
車から離れるときは、車が暴走しないように次の措置を執らなければなりません。
ア エンジンを止め、ハンドブレーキを掛けること。
イ ギアは、平地や下り坂ではバック、上り坂ではローに入れておくこと。オートマチック車では、チェンジレバーをPに入れておくこと。
ウ 坂道では、輪止めをすること。
(2) 盗難防止のための措置
盗難車が犯罪に使用される例が多くみられます。そのような犯罪を防止するためにも、車から離れるときは、車を盗まれないように次の措置を執らなければなりません。
ア エンジンを止め、エンジンキーを携帯すること。
イ 窓を確実に閉めドアをロックすること。
ウ ハンドルの施錠装置など盗難防止装置があるときは、それを作動させること。
エ 貴重品などを持ち出さない場合は、トランクに入れて施錠すること。

第9節 オートマチック車などの運転


1 オートマチック車の運転
オートマチック車は、マニュアル車と運転の方法が異なるところがあり、それを知らないと思い掛けない事故を起こすことがあるので注意しましよう。

(1) 運転に当たつての心構え
オートマチック車の運転には、クラッチ操作がいらないので、その分操作の負担が軽減され、運転が楽になりますが、安易な気持ちで取り扱つてはいけません。オートマチック車の運転の基本を理解し、正確に作することが安全運転のために必要です。
(2) エンジンの始動
ア エンジンを始動する前に、ブレーキペダルを踏んでその位置を確認し、アクセルペダルの位置を目で見て確認しましよう。
イ ハンドブレーキが掛かつており、チェンジレバーがPの位置にあることを確認した上で、ブレーキペダルを踏み、エンジンを始動しましよう。
(3) 発進
ブレーキペダルをしつかりと踏んだまま、チェンジレバーを前進のときはDに、後退のときはRに入れ、その位置が間違つていないことを目で見て確認した上で、ハンドブレーキを戻して、ブレーキペダルを徐々に放し、アクセルペダルを静かに踏んで発進しましよう。
 ブレーキペダルをしつかり踏んでチェンジレバーを操作しないと、急発進したり、突然後退したりすることがあります。
 なお、エンジン始動直後やエアコン作動時は、エンジンの回転数が高くなり、急発進する危険があります
ので、ブレーキペダルを特にしつかりと踏みましよう。
(4) 交差点などで停止したとき
 停止中は、必ずブレーキペダルをしつかり踏んでおき、念のためハンドブレーキも掛けておきましよう。
 停止時間が長くなりそうなときは、チェンジレバーをNに入れておきましよう。
 ブレーキペダルをしつかり踏んでおかないと、アクセルペダルを踏まなくても自動車がゆつくり動き出し(クリープ現象)、追突などの思わぬ事故を起こすことがありますので注意しましよう。
(5) 駐車
 駐車の際には、ブレーキペダルを踏んだままハンドブレーキを確実に掛けてから、チェンジレバーをPに入れましよう。
 自動車が完全に停止しないうちにチェンジレバーをPに入れるのはやめましよう。

2 先進安全自動車(ASV)の運転
 先進安全自動車(ASV)(注7)は、先進技術を利用して運転者の安全運転を支援するシステムが搭載された自動車ですが、このシステムは、運転者が責任を持つて安全運転を行うことを前提とした運転支援技術ですので、その限界や注意点を正しく理解し、その技術を過信せずに運転しましよう。

注7 先進安全自動車(ASV)……先進技術を利用して運転者の安全運転を支援するシステムを搭載した自動車であり、衝突被害軽減ブレーキ、ACC(車間距離制御システム)等の技術を搭載した車両が既に実用化されています。

第6章 危険な場所などでの運転

第1節 踏切


1 一時停止と安全確認
(1) 踏切では、死亡・重傷事故のような大きな事故が起こりがちです。踏切を通過しようとするときは、その直前(停止線があるときは、その直前)で一時停止をし、窓を開けるなどして自分の目と耳で左右の安全を確かめなければなりません。なお、踏切に信号機のある場合は、信号に従つて通過することができます。
(2) 安全を確認する場合、一方からの列車が通過しても、その直後に反対の方向からの列車が近づいて来ることがありますから十分注意しましよう。
(3) 警報機が鳴つているときや、しや断機が降りていたり、降り始めているときは、踏切に入つてはいけません。
(4) 前の車に続いて通過するときでも、一時停止をし、安全を確かめなければなりません。また、踏切の向こう側が混雑しているため、そのまま進むと踏切内で動きがとれなくなるおそれがあるときは、入ってはいけません。
(5) 踏切内では、エンストを防止するため、変速しないで、発進したときの低速ギアのまま一気に通過しましよう。また、歩行者や対向車に注意しながら、落輪しないようにやや中央寄りを通りましよう。

2 踏切で故障したとき
踏切で動かなくなつたときは、次の要領で一刻も早く列車の運転士などに知らせるとともに、車を踏切の外に移動させなければなりません。
(1) 警報機のある踏切では、警報機の柱などに取り付けられている押しボタン式の踏切支障報知装置を活用する。
(2) 踏切支障報知装置のないところでは、携帯している発炎筒などを使い列車に分かるようにできるだけ早く合図をする。
(3) 発炎筒などがなかつたり、使い切つてしまつたりしたときは、煙の出やすいものを付近で燃やすなどして合図をする。

第2節 坂道・カーブ


1 坂道・山道
(1) 上り坂で前の車に続いて停車するときは、余り接近し過ぎないようにしましよう。前の車が後退して衝突することがあります。
(2) 上り坂で発進するときは、できるだけハンドブレーキを利用しましよう。クラッチ操作だけで発進しようとすると、失敗して車が後退し、後ろの車と衝突することがあります。
(3) 上り坂の頂上付近は見通しが悪いので、徐行しましよう。また、そこでは追越しをしてはいけません。
(4) 下り坂では、低速のギアを用い(オートマチック車ではチェンジレバーを2かL(又は1)に入れ)、エンジンブレーキを活用しましよう。長い下り坂で、フットブレーキをひんぱんに使い過ぎると、急にブレーキが効かなくなることがあり危険です。
(5) 下り坂では、車間距離を広くとりましよう。加速がつき、停止距離が長くなるので危険です。
(6) 坂道では、上り坂での発進がむずかしいため、下りの車が、上りの車に道を譲りましよう。しかし、近くに待避所があるときは、上りの車でも、その待避所に入つて待ちましよう。
(7) こう配の急な下り坂では追越しをしてはいけません。
(8) 片側が転落のおそれのあるがけになつている道路で、安全な行き違いができないときは、がけ側の車は一時停止をして道を譲りましよう。
(9) 山道では、路肩が崩れやすくなつていることがあります。このような場合の行き違いでは、路肩に寄り過ぎないよう注意しましよう。

2 曲がり角・カーブ
(1) 曲がり角やカーブに近づくときは、その手前の直線部分で十分スピードを落としましよう。高速の
ままハンドルを切つたり、ハンドルを切りながらブレーキを掛けたりすると、横転や横滑りを起こしやすくなります。
(2) ハンドルは急ハンドルにならないよう緩やかに操作しましよう。
(3) 曲がり角やカーブでは道路の中央からはみ出さないようにしましよう。また、対向車が道路の中央からはみ出して来ることがありますから注意しましよう。
(4) 道路の曲がり角やカーブを通行するときには、車の内輪差のため、内側にいる歩行者や自転車などを巻き込んだり、後車輪が路肩からはみ出したりするおそれがありますから注意しましよう。
(5) 曲がり角やカーブでは前の車を追い越してはいけません。

第3節 夜間


1 夜間の走行
(1) 夜間は視界が悪くなるため、歩行者や自転車などの発見が遅れます。また、速度感が鈍り、速度超過になりがちです。その上、夜間は、過労運転や酒酔い運転をする者や、酔つて歩く者などがいたりするので、昼間より速度を落として慎重に運転しましよう。少しでも危ないと感じたときは、まず速度を落とすことが大切です。
(2) 走行中には、自分の車と対向車のライトで、道路の中央付近の歩行者が見えなくなることがあるので、十分注意しましよう。
(3) 視線は、できるだけ先の方へ向け、少しでも早く前方の障害物を発見するようにしましよう。
(4) 前の車に続いて走るときは、その車のブレーキ灯に注意しましよう。
(5) 幹線道路などで長時間単調な運転を続けると眠くなります。眠気を防ぐために窓を開けて新鮮な空気を入れ、少しでも眠くなつたら、安全な場所に車を止めて、休息をとるようにしましよう。
(6) 薄暮時には事故が多く発生しますので、早めにライトを点灯し、自分の車の存在を知らせるようにしましよう。

2 灯火
(1) 夜間、道路を通行するときは、前照灯、車幅灯、尾灯などをつけなければなりません。昼間でも、ンネルの中や濃い霧の中などで50メートル(高速道路では200メートル)先が見えないような場所を通行するときも同じです。
(2) 前照灯は、交通量の多い市街地などを通行しているときを除き、上向きにして、歩行者などを少しでも早く発見するようにしましよう。ただし、対向車と行き違うときや、ほかの車の直後を通行しているときは、前照灯を減光するか、下向きに切り替えなければなりません。
(3) 交通量の多い市街地の道路などでは、前照灯を下向きに切り替えて運転しましよう。また、対向車のライトがまぶしいときは、視点をやや左前方に移して、目がくらまないようにしましよう。
(4) 見通しの悪い交差点やカーブなどの手前では、前照灯を上向きにするか点滅させて、ほかの車や歩行者に交差点への接近を知らせましよう。
(5) 室内灯は、バスのほかは、走行中につけないようにしましよう。
(6) 夜間、道路に駐停車するときは、非常点滅表示灯、駐車灯又は尾灯をつけなければなりません。昼間でも、トンネルの中や濃い霧の中などで50メートル先が見えないような場所に駐停車するときも同じです。しかし、道路照明などにより、50メートル後方から見える場所に駐停車しているときや、停止表示器材を置いて駐停車しているときは別です。夜間、高速道路でやむを得ず駐停車する場合には、非常点滅表
示灯、駐車灯又は尾灯をつけるほか、停止表示器材を置かなければなりません。

第4節 悪天候など


 悪天候で道路の状態が悪いと思われるときや交通が混雑しそうな道路を通行するときなどは、まずラジオを聞いたり、日本道路交通情報センターに電話を掛けたりして、道路や交通の状況を確認しましよう。

1 雨の日の運転
(1) 雨の日は視界が悪くなるうえ、窓ガラスが曇つたり、路面が滑りやすくなるなど悪条件が重なり、危険度が高くなります。
(2) 雨の日は、晴れの日よりも速度を落とし、車間距離を十分とつて慎重に運転しましよう。急発進、急ハンドル、急ブレーキなどは横転、横滑りなどの原因となり、特に危険です。
(3) 地盤が緩んでいることがあるので、山道などでは路肩に寄り過ぎないようにしましよう。
(4) 雨の降り始めの舗装道路はスリップしやすいので気を付けましよう。また、工事現場の鉄板、路面電車のレールなども滑りやすいので危険です。
(5) 歩行者のそばや店先などを通るときは、速度を落として、泥や水をはねないようにしなければなりません。
(6) 深い水たまりを通ると、ブレーキドラムに水が入るため、ブレーキが効かなくなつたり、効きが悪くなつたりすることがあるので、避けて通りましよう。
(7) ワイパーは、常に整備しておきましよう。雨の降り始めにワイパーを使つて、油膜などで前面ガラスが見にくくなつたときは、洗浄液できれいにしましよう。また、車内のガラスが曇ることが多いので、デフロスターを使つたり、側面ガラスを開けるなどして、曇りを防ぎましよう。

2 雪道などの運転
(1) 雪道や凍り付いた道は大変滑りやすく危険です。タイヤにタイヤチェーンなどの滑り止め装置を着けるか、スノータイヤ、スタッドレスタイヤなどの雪路用タイヤを着けたうえで、速度を十分落とし、車間距離を十分とつて運転しましよう。
(2) 横滑りを起こすことが多いので、ハンドルやブレーキの操作は特に慎重にしましよう。急発進、急ブレーキ、急ハンドルは絶対にやめましよう。
(3) できるだけ車の通つた跡を選んで走るようにしましよう。
(4) スパイクタイヤは、雪道や凍り付いた道以外の道では、路面の損傷や粉じんの発生の原因となるので、使用しないようにしましよう。

3 霧のときの運転
(1) 霧は、視界を極めて狭くします。霧灯(淡黄色などの補助前照灯)のあるときは霧灯を、ないときは前照灯を早めにつけましよう。中心線やガードレールや前の車の尾灯を目安にし、速度を落として運転しましよう。
(2) 危険を防止するため、必要に応じ警音器を使いましよう。

5節 緊急時の措置


(1) 踏切や交差点の中でエンストしたときは、気が焦れば焦るほどエンジンが掛からないものです。このようなときは、非常手段としてギアをローかセコンドに入れ、セルモーター(始動電動機)を使つて車を動かすこともできます。(ただし、オートマチック車やクラッチペダルを踏まないとエンジンが始動しない装置を備えている車には、この方法は使えません。)
(2) ぬかるみなどで車輪が空回りするときは、古毛布、砂利などがあれば、それを滑り止めに使うと効果的です。
(3) 走行中にエンジンの回転数が上がつた後、故障等により、下がらなくなつたときは、四輪車の場合はギアをニュートラルにして車輪にエンジンの力を掛けないようにしながら路肩など安全な場所に行き、そこで停止した後にエンジンスイッチを切ること、二輪車の場合は点火スイッチを切つてエンジンの回転を止めることが大切です。
(4) 走行中にタイヤがパンクしたときは、ハンドルをしつかりと握り、車の方向を直すことに全力を傾けます。急ブレーキを避け、断続的にブレーキを踏んで止めます。
(5) 後輪の横滑りは、スピードの出し過ぎ、急ハンドル又は急加速が原因で生じます。後輪が横滑りを始めたときは、ブレーキを掛けてはいけません。まずアクセルを緩め、同時にハンドルで車の向きを立て直すようにします。この場合、後輪が右(左)に滑つたときは、車は左(右)に向くので、ハンドルを右(左)に切ります。
(6) 下り坂などでブレーキが効かなくなつたときは、手早く減速チェンジをし、ハンドブレーキを引きます。それでも停止しないようなときは、山側のみぞに車輪を落としたり、ガードレールに車体をすり寄せたり、道路わきの砂利などに突つ込んだりして止めます。
(7) 対向車と正面衝突のおそれが生じたときは、警音器とブレーキを同時に使い、できる限り左側によけます。衝突の寸前まであきらめないで、少しでもブレーキとハンドルでかわすようにします。もし道路外が危険な場所でないときは、道路外に出ることをためらつてはいけません。

第7章 高速道路での走行
高速道路とは、高速自動車国道と自動車専用道路をいいます。高速道路では、ミニカー、小型二輪車(注8)、原動機付自転車は通行できません。また、農耕用作業車のように構造上毎時50キロメートル以上の速度の出ない自動車やほかの車を牽けん引しているため毎時50キロメートル以上の速度で走ることのできない自動車も、高速自動車国道を通行することはできません。

第1節 高速道路に入る前の心得


(1) 車を点検すること
高速道路を通行する場合は、特に次の点検をしなければなりません。高速道路で、燃料、冷却水、エンジンオイルの不足により、停止することのないようにしなければなりません。
ア 燃料の量が十分であるか。
イ 冷却水の量が規定の範囲内にあるか。
ウ ラジエータキャップが確実に締まつているか。
エ エンジンオイルの量が適当であるか。
オ ファンベルトの張り具合が適当であるか、また、損傷がないか。
カ タイヤの空気圧が適当であるか(高速道路を走行するときは、空気圧をやや高めにする。)。
キ タイヤの溝の深さが十分であるか。
(2) 積荷の状態を調べること
高速で走行すると、荷物が転落、飛散しやすくなるので、高速道路を通行するときは、前もって、荷物が転落、飛散しないように点検し、荷物を積み直すなど必要な措置を採らなければなりません。
(3) 停止表示器材を用意すること
高速道路上で故障などによつて停止するときは、停止していることを表示する停止表示器材を置かなければなりませんので、前もつて準備しておきましよう。停止表示器材は、努めてTSマークの付いたものを使いましよう。
(4) 無理のない運転計画を立てること
長時間連続して高速運転をすることは危険です。適当な休息時間を織り込んだゆとりのある運転計画を立てましよう。
(5) 高速道路に入る前には、ラジオを聞いたり、日本道路交通情報センターに問い合わせるなどして、道路や交通の状況を確認しましよう。

第2節 走行上の注意


1 本線車道へ入るときの注意
本線車道とは、高速道路で通常高速走行をする部分(加速車線、減速車線、登坂車線、路側帯、路肩を除
いた部分)をいいます。
(1) 本線車道へ入ろうとする場合で、加速車線があるときは、加速車線を通行して、十分加速しなければなりません。
(2) 本線車道へ入ろうとするときは、本線車道を通行している車の進行を妨げてはいけません。また、本線車道と本線車道が合流するところで、標示により前方の本線車道の優先が指定されているときは、その本線車道を通行している車の進行を妨げてはいけません。
2 速度
(1) 標識や標示で最高速度や最低速度が指定されているところでは、その最高速度を超えたり、最低速度に達しない速度で運転してはいけません。
(2) 悪天候のときは、その状況に応じた速度で走らなければなりません。長い時間高速で走つたり、夜間高速で走つたりしていると速度感が鈍り、速度を出し過ぎがちです。速度計で確かめましよう。
(3) 標識や標示で最高速度や最低速度が指定されていない高速自動車国道の本線車道では、次の最高速度を超えたり、最低速度に達しない速度で運転してはいけません。
(4) 車間距離を十分とつて走りましよう。路面が乾燥していて、タイヤが新しい場合は、時速100キロメートルでは約100メートル、時速80キロメートルでは約80メートルの車間距離をとる必要があります。
 また、路面が雨にぬれ、タイヤが減つている場合は、この約2倍程度の車間距離が必要となることがあります。
(5) 雨や雪や霧など悪天候下での高速走行は特に危険です。雨の中を高速で走行すると、スリップを起こしたり、タイヤが浮いて、ハンドルやブレーキが効かなくなることがあります(ハイドロプレーニング現象)。また雪の日は路面が滑りやすく、視界も悪くなるので、高速での走行は避けましよう。
 これら悪天候下ではインターチェンジが閉鎖され通行止めになることがありますので、交通情報に特に注意しましよう。

3 走行方法
(1) 走行中は、左側の白の線を目安にして車両通行帯のやや左寄りを通行するようにしましよう。後方の車が追い越す場合に十分な間隔がとれて、接触事故の防止に役立ちます。
(2) 高速道路の路側帯や路肩を通行してはいけません。
(3) 登坂車線のある道路では、荷物を積んだトラックなど速度の遅い車は、登坂車線を利用しましょう。
(4) 本線車道では、転回したり、後退したり、中央分離帯を横切つたりしてはいけません。
(5) 追越しをする場合は、早目に合図をし、追越し車線の車の動きなどに注意してから行いましよう。
 特に、進路を戻すときは、追い越した車全体がルームミラーに映つたことを確認してから行いましよう。
(6) 緊急自動車が本線車道へ入ろうとしているときや本線車道から出ようとしているときは、その通行を妨げてはいけません。
(7) 車の総重量が750キログラムを超える車を牽けん引している車で牽けん引するための構造と装置のあるものは、車両通行帯が設けられた自動車専用道路や高速自動車国道の本線車道では、その最も左側の車両通行帯を通行しなければなりません。しかし、高速自動車国道では、標識や標示によつて通行区分が示されているときは、それに従わなければなりません。
(8) 高速で走行中に急ブレーキを掛けることは、たいへん危険です。ブレーキを掛けるときは、一段低いギアに落としエンジンブレーキを使うとともに、フットブレーキを数回に分けて踏むようにしましょう。
(9) 高速走行中の急ハンドルは避けましよう。
(10) 強風のときは、ハンドルを取られやすいので速度を落とし、注意して運転しましよう。特に、トンネルや切り通しの出口などでは、横風のためにハンドルを取られることがあるので注意しましよう。
(11) 高速でトンネルに入ると、視力が急激に低下するので、あらかじめ手前で速度を落としましょう。
(12) 夜間は、対向車と行き違うときやほかの車の直後を通行しているときを除き、前照灯を上向きにして、落下物や交通事故などにより停止した車を少しでも早く発見するようにしましょう。
(13) 誤つて本線車道などに進入し、反対方向から進行してくる車や、歩行者がいることがありますので、高速道路上に設置された道路情報板などの情報に注意して走行しましよう。

4 駐車、停車の禁止など
(1) 高速道路では、次の場合のほかは、駐車や停車をしてはいけません。
ア 危険防止などのため一時停止をするとき。
イ 故障などのため十分な幅のある路肩や路側帯にやむを得ず駐停車するとき。
ウ パーキングエリアで駐停車したり、料金の支払いなどのため停車するとき。
(2) 高速道路で故障、燃料切れ、交通事故などにより運転することができなくなつたときは自動車の後方の路上に停止表示器材を置き(歩行が困難で自動車の後方の路上に停止表示器材を置くことができない場合には、停止表示灯については自動車の側方の路上などの後方から見やすい場所に置くこともできます。)、後続車の運転者に停止していることが分かるようにしなければなりません。これと併せて夜間(昼間において視界が200メートル以下の場合も同じです。)は、非常点滅表示灯、駐車灯や尾灯をつけなければなりません。停止表示器材を置くときには、発炎筒を使つて合図をするなど後続車に十分注意しましょう。また、風の強いときなどに停止表示板を用いる場合には、倒れたりすることのないよう必要な措置を講じましよう。特に車体の後部に連結して補強措置を講ずる場合には、きちんと連結しましよう。なお、修理などが終わり現場を立ち去るときは、停止表示器材を置き忘れないようにしましよう。
(3) 故障、燃料切れ、交通事故などの理由により運転することができなくなつたときは、110番通報で警察に連絡するとともに、近くの非常電話でレッカー車を呼ぶなどして、速やかに安全な場所へ移動させなければなりません。また可能であれば、ギアをローかセコンドに入れ、セルモーターを使つて路側帯や路肩へ移動させましよう(ただし、オートマチック車やクラッチペダルを踏まないとエンジンが始動しない装置を備えている車には、この方法は使えません。)。
(4) 高速道路上で運転することができなくなつた車にとどまることは、後続車が衝突する交通事故が発生するおそれが大きく、大変危険です。必要な危険防止措置をとつた後は、車に残らず、ガードレールの外側などの安全な場所に避難しましよう。
(5) 高速道路上は危険ですから、荷物が転落、飛散したため、その物を除去するなど必要な措置を採るときには、110番通報で警察に連絡するとともに、非常電話を利用して、荷物の除去の依頼などをしましよう。
5 本線車道から出るとき
(1) あらかじめ、目的地への方向と出口を予告する案内標識に注意しましよう。
(2) 出口に近づいたときは、あらかじめ出口に接続する車両通行帯を通行しなければなりません。この場合、減速車線があるときは、その車線を通り、感覚に頼らずに速度計で確かめながら速度を落とさなければなりません。
(3) 一般道路へ出たときは、速やかに一般道路に見合つた運転方法をとりましよう。特に、高速運転に慣れた後は速度を出し過ぎになりがちですから、速度には十分注意しましよう。

第8章 二輪車の運転の方法

この章は、二輪車を運転する人に特に知つていただきたい運転の方法を掲げていますので、運転する前の心得や一般的な運転の方法などについては、自動車のところ(第4章~第7章)を参照して下さい。なお二輪車とは、大型自動二輪車、普通自動二輪車及び原動機付自転車のことをいいます。

第1節 二輪車の運転者の心得


二輪車は、体で安定を保ちながら走り、停止すれば安定を失うという構造上の特性を持つているため、四輪車とは違つた運転技術を必要とします。また、二輪車の動きが四輪車からは見えないことがあるので、周りの交通の動きについて一層の注意が必要となります。手軽な乗り物であると気を許さないで、常に慎重に運転しましよう。

1 車種の選定
(1) 体格に合つた車種を選ぶようにしましよう。体力に自信があつてもいきなり大型車に乗るのは危険です。最初は小型の車種から始め、熟練度に応じて大型の車種に乗るようにしましよう。
車種の選定に当たつては、次のことができるかどうかを確かめましよう。
ア 平地でセンタースタンドを立てることが楽にできること。
イ 二輪車にまたがつたとき、両足のつま先が地面に届くこと。
ウ 8の字型に押して歩くことが完全にできること。
(2) 大型自動二輪車や普通自動二輪車の二人乗りをする場合には、後部座席にゆとりがある車種を選ぶようにしましよう。

2 乗車用ヘルメットの着用
乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車や普通自動二輪車や原動機付自転車を運転してはいけません。また、乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗せて大型自動二輪車や普通自動二輪車を運転してはいけません。乗車用ヘルメットは、PS(C)マークかJISマークの付いたものを使い、あごひもを確実に締めるなど正しく着用しましよう。工事用安全帽は乗車用ヘルメットではありません。

3 服装など
二輪車に乗るときは、体の露出がなるべく少なくなるような服装をし、できるだけプロテクターを着用しましよう。大型自動二輪車や普通自動二輪車の同乗者についても同様です。また、ほかの運転者から見て、よく目に付きやすいものを着用するようにしましよう。夜間は、反射性の衣服又は反射材の付いた乗車用ヘルメットを着用するようにしましよう。

4 二人乗りの禁止
次の場合には、二人乗りをしてはいけません。
(1) 大型自動二輪車や普通自動二輪車で後部座席がないものや原動機付自転車を運転するとき。
(2) 大型二輪免許を受けて1年を経過していない者が大型自動二輪車や普通自動二輪車を運転するとき。
ただし、普通二輪免許を受けて1年を経過している場合は二人乗りをすることができます。
(3) 普通二輪免許を受けて1年を経過していない者が普通自動二輪車を運転するとき。
(4) 大型二輪免許を受けた者で、20歳未満のもの又は大型二輪免許を受けていた期間が3年未満のものが、高速道路で大型自動二輪車や普通自動二輪車を運転するとき。ただし、20歳以上で、かつ、普通二輪免許を受けて3年を経過している場合は二人乗りをすることができます。
(5) 普通二輪免許を受けた者で、20歳未満のもの又は普通二輪免許を受けていた期間が3年未満のものが、高速道路で普通自動二輪車を運転するとき。

5 二人乗りをするときの心得
大型自動二輪車や普通自動二輪車の二人乗りは、一人乗りと比べて運転特性に違いがみられる面があります。二人乗りが禁止されていない場合であつても、二人乗りは一人乗りでの運転に習熟してからするようにしましよう。また、二人乗りに関する講習を受講するようにしましよう。

6 二輪車の点検
点検に当たつては次の事柄を確かめましよう。
(1) ブレーキの遊びや効きは十分か。
(2) 車輪にガタやゆがみはないか。
(3) タイヤの空気圧は適正か。
(4) チェーンが緩み過ぎていたり、張り過ぎていたりしないか(緩みは、チェーンの中央部を指で押してみて調べる。)。適当な注油がなされているか。
(5) ハンドルが重くないか。ワイヤーが引つ掛かつていないか。ガタはないか。
(6) 灯火はすべて正常に働くか。
(7) バックミラーは、よく調整されているか。
(8) マフラーは、完全に取り付けられているか。破損していないか。

第2節 正しい乗り方


次の点に注意し、運転しやすい正しい乗車姿勢をとりましよう。
(1) ステップに土踏まずを載せて、足の裏がほぼ水平になるようにする。また、足先がまつすぐ前方を向くようにして、タンクを両ひざでしめる。
(2) 手首を下げて、ハンドルを前に押すような気持ちでグリップを軽く持つ。
(3) 肩の力を抜き、ひじをわずかに曲げる。
(4) 背筋を伸ばし、視線は先の方へ向ける。

第3節 安全な運転の方法


二輪車は機動性に富んでいますが、車の間を縫つて走つたり、ジグザグ運転、無理な追越しや割込みをしたりしてはいけません。そのような運転方法は極めて危険であるばかりでなく、周囲の運転者にも不安を与えます。車間距離や側方間隔を十分に保ちましよう。交通渋滞のときなどには、前の車に乗つている人が急にドアを開けたり、歩行者が車の間から飛び出したりすることがあるので注意しましよう。また、げ
たやサンダルなど運転の妨げになる履物を履いて運転してはいけません。

1 カーブでの運転方法
(1) カーブの手前の直線部分で、あらかじめ十分速度を落としましよう。また、カーブでは右側部分にはみ出さないように注意しましよう。
(2) 曲がるときは、ハンドルを切るのではなく、車体を傾けることによつて自然に曲がるような要領で行いましよう。
(3) カーブの途中では、スロットルで速度を加減しましよう。クラッチを切らないで常に車輪にエンジンの力を掛けておき、カーブの後半で前方の安全を確かめてから、やや加速するようにしましよう。
2 ぬかるみ、砂利道などでの運転方法
(1) ぬかるみや砂利道などでは、低速ギアなどを使つて速度を落として通行しましよう。
(2) ブレーキを掛けたり、急に加速したり、大きなハンドル操作をしたりしないようにしましよう。スロットルで速度を一定に保ち、バランスをとりながら通行しましよう。

3 右折するときの運転
(1) 大型自動二輪車や普通自動二輪車の右折
交差点(環状交差点を除きます。)で右折しようとするときは、あらかじめできるだけ道路の中央に寄り、交差点の中心のすぐ内側を徐行しながら進行しなければなりません。
 幅の広い道路で右折しようとするとき(環状交差点で右折しようとするときを除きます。)は、十分手前のところから徐々に右折の車線に移るようにしましよう。急に左側の車線から右側の車線に移動すると極めて危険です。
(2) 原動機付自転車の右折
交差点(環状交差点を除きます。)での右折は、次の方法でしなければなりません。
ア 二段階の右折方法
「原動機付自転車の右折方法(二段階)」の標識のある道路や車両通行帯(交差点の付近に設けられた右左折のための車両通行帯を含みます。)が3以上ある道路(「原動機付自転車の右折方法(小回り)」の標識のある道路を除きます。)の信号機などにより交通整理の行われている交差点では、あらかじめできるだけ道路の左端に寄つて、その交差点の手前の側端から30メートルの地点に達したときに右折の合図を行い、青信号で徐行しながら交差点の向こう側までまつすぐに進み、その地点で止まつて右に向きを変え、ここで合図をやめ、前方の信号が青になつてから進むようにしなければなりません。
 なお、このような場合は、青の矢印の信号によつて右折することはできません。
イ 小回りの右折方法
「原動機付自転車の右折方法(小回り)」の標識のある道路の交差点などア以外の交差点では、あらかじめできるだけ道路の中央に寄り、交差点の中心のすぐ内側を徐行しながら進行しなければなりません。
 幅の広い道路で右折しようとするときは、十分手前のところから徐々に右折の車線に移るようにしましよう。急に左側の車線から右側の車線に移動すると極めて危険です。なお、このような場合は、青の矢印の信号に従つて右折することができます。

第4節 ブレーキの掛け方


1 方法
ブレーキの掛け方には次の三つがあります。
(1) ブレーキレバーを使う前輪ブレーキ
(2) ブレーキペダル又はブレーキレバーを使う後輪ブレーキ
(3) スロットル(アクセル)の戻し又はシフトダウン(低速ギアに入れること。)によるエンジンブレーキ

2 ブレーキを掛けるときの注意
(1) ブレーキを掛けるときは、車体を垂直に保ち、ハンドルを切らない状態で、エンジンブレーキを効かせながら前後輪のブレーキを同時に掛けましよう。このとき乗車姿勢を正しく保たないと前のめりになります。
(2) 乾燥した路面でブレーキを掛けるときは、前輪ブレーキをやや強く、路面が滑りやすいときは、後輪ブレーキをやや強く掛けましよう。
(3) エンジンブレーキは、低速ギアになるほど制動力が大きくなります。しかし、ギアをいきなり高速からローに入れるとエンジンを傷めたり、転倒したりするおそれがありますので、順序よくシフトダウンしましよう。
(4) 急ブレーキを掛けると、車輪の回転が止まり、横滑りを起こす原因になります。ブレーキは数回に分けて使いましよう。

第5節 オートマチック二輪車の運転


オートマチック二輪車は、マニュアル二輪車と運転の方法が異なるところがあり、それを知らないと思い掛けない事故を起こすことがあるので注意しましよう。

1 運転に当たつての心構え
オートマチック二輪車の運転には、クラッチ操作がいらないので、その分操作の負担が軽減され、運転が楽になりますが、安易な気持ちで取り扱つてはいけません。オートマチック二輪車の運転の基本を理解し、正確に操作することが安全運転のために必要です。

2 発進
クラッチ操作がいらない分、スロットルを急に回転させると急発進する危険がありますので注意しましよう。

3 低速で走行するとき
オートマチック二輪車に無段変速装置が採用されている場合、エンジンの回転数が低い時には、車輪にエンジンの力が伝わりにくい特性があります。このため、低速で走行している際にスロットルを完全に戻すと車輪にエンジンの力が伝わらなくなり、安定を失うことがあるので注意しましよう。

第6節 その他注意しなければならないこと


1 改造の禁止
変形ハンドルは運転の妨げとなり、また、マフラーを取り外したり、切断したり、マフラーのしんを抜いたり、マフラーに穴を開けたりすると騒音が大きくなるので、このような改造をしてはいけません。

2 押して歩くとき
二輪車を押して歩くときは、歩行者として扱われます。しかし、エンジンを掛けているものやほかの車をけん引しているものや側車付きのものを押しているときは、歩行者としては扱われません。

第9章 旅客自動車や代行運転自動車の運転者などの心得  (二種のみ)

1 旅客など利用客の保護
(1) 旅客自動車(バス、タクシー、ハイヤー)や代行運転自動車の運転者は、常に旅客など利用客の安全を考え、ほかの車や歩行者が危険な行動に出ても交通事故を避けることができるよう慎重に運転しましよう。 また、利用客にショックを与えないよう急ブレーキや急発進を避けるとともに、悪路で揺れるような場合などには、事前に利用客に声を掛け注意を促しましよう。
(2) 旅客自動車を運転する場合は、特に次の事柄を守りましよう。
ア 病気や疲れなどの理由により安全運転ができないおそれがあるときは、その旨を事業者に申し出ること。
イ 運転中重大な故障を発見したときや重大な事故が発生するおそれがあるときは、直ちに運転を中止すること。
ウ 坂道で車から離れるときや危険な場所を通過するときは、旅客を降ろすこと。
エ 故障などのため踏切内で動かなくなつたときは、速やかに旅客を誘導して退避させるとともに、発炎筒などで列車に合図をすること。
オ 業務を交代するときは、道路や車の状況について申し継ぎをすること。申し継ぎを受けた運転者は、ハンドル、ブレーキなどの機能について点検すること。
カ 乗降口のドアは、停車を確認したあとで開き、また確実に閉めてから発車すること。
キ 事故が起きたときは、応急救護処置や遺留品の保管など負傷者の保護に当たること。
ク 運転操作が円滑に行えなくなるおそれがある服装をしないこと。
ケ バスの運転者は、発車するに当たり、その直前に安全が確認できた場合を除き、警音器を吹鳴すること。
コ バスに車掌が乗務している場合は、発車は、車掌の合図によつて行い、警報装置の設備や踏切警手の配置のない踏切を通過するときやバスを後退させるときは車掌の誘導を受けること。

2 その他の心得
このほか、旅客自動車などの運転者その他の乗務員や事業者は、次の事柄を守りましよう。
(1) 路線バスは、夜間、道路を通行するときは、室内灯をつけること。
(2) バスの運転者は、旅客のいるバスの走行中は、職務に必要のない話はしないようにすること。
(3) タクシーの運転者は、食事や休憩、回送のため旅客を乗せることができないときは、回送板を掲示すること。
(4) 乗務距離の最高限度が定められているタクシーの運転者は、その最高限度を守ること。
(5) 旅客自動車の乗務員は、旅客のいる車内では喫煙しないこと。
(6) 旅客自動車の事業者は、ガソリン、灯油、塩酸などで危険な状態のものを持つている者を乗車させないこと。
(7) バスの乗務員は、旅客が車内で法令の規定などに反する行為をするときは、これを制止するなど必
要な措置をとること。
(8) 旅客自動車の事業者は、旅客自動車が踏切を通行するときは、赤色旗、赤ランプなどの非常信号用具を備え付けること。
(9) 旅客自動車の運転者は、一日一回、運行の開始前に日常点検を実施し、又はその確認をし、事業者にその結果を報告すること。
(10) 代行運転自動車の運転者は、代行運転自動車標識を表示しなければならないこと。


●物品の持ち込み制限(運輸規則52)
一般乗合旅客自動車運送事業者の事業用自 動車(路線バス)を利用する旅客は、次に掲 げる物品を自動車内に持ち込んではならない。 ただし、品名、数量、荷造り方法などについて、別表で定める条件に適合する場合は、この限りでない。
①火薬類(50発以内で、弾帯または薬ごうにそう入してあるものを除く。)
②100gをこえる玩具用煙火
③揮発油、灯油、軽油、アルコール、二硫化炭素その他の引火性液体(喫煙用ライ ター及び懐炉に使用しているものを除く。)
④100gをこえるフィルムその他のセルロイド類(ニトロ・セルローズを主材とした 生地製品、半製品及びくず。)
⑤黄りん、カーバイト、金属ナトリウムその他の発火性物質及びマグネシウム粉、過 酸化水素、過酸化ソーダその他の爆発性物質
⑥放射性物質など(核原料物質、核燃料物質)
⑦苛性ソーダ、硝酸、硫酸、塩酸その他の腐食性物質
⑧高圧ガス(消火器に封入した炭酸ガス及び医薬用酸素器に封入した酸素ガスを除く。)
⑨クロル・ピクリン、メチル・クロライド、液体青酸、クロロ・ホルム、ホルマリンその他の有毒ガス及び有毒ガスを発生するおそれのある物質
⑩500gをこえるマッチ
⑪電池(乾電池を除く。)
⑫死体
⑬動物(盲導犬などや愛玩用の小動物を除く。)
⑭自動車の通路、出入口または非常口をふさぐおそれのあるもの
⑮他の旅客の迷惑となるおそれのあるもの、 または車室を著しく汚損するおそれのあるもの

別表
①火薬類
●300g以下の猟銃雷管及び信号雷管で、振動、衝撃等で発火しない容器に入れてあるもの
●500g以下の信号縮管及び信号火箭
●100g以下の競技用紙雷管
●警察官等が職務のために所持する銃器にそうてんした実包及び空包
②引火性液体
 ●0.5 0 以下で、もれない容器に密閉し、容器が破損しないように包装してあるもの
●10kg以下の引火のおそれのあるペンキ類で金属製容器に密閉してあるもの
③セルロイド類
●300g以下で、紙箱などの電気絶縁物質で包 装してあるもの
●映画用フィルムで、不燃性電気絶縁製の容器、またはフィルム用容器に入れ帆布製の 袋に入れてあるもの
④25kg以下の乾燥した状態のカーバイトで、破損しない容器に密閉してあるもの
⑤500g以下の写真撮影用閃光粉で、飛散 しない容器に密閉し、容器が破損しないように包装してあるもの
⑥0.5 ℓ以下の腐食性物質や、25g以下の固体の苛性カリで、もれない容器に密閉し、容器が破損しないように包装してあるもの
⑦0.5 ℓ以下の液体青酸、クロロホルム及びホルマリンで、もれない容器に密閉し、容器が破損しないように包装してあるもの
⑧電池で、堅固な木箱に入れ、端子が外部に露出しないように荷造りしてあるもの

旅客の禁止行為(運輸規則53)
 路線バスなどを利用する旅客は、事故などのやむを得ない場合以外は、車内で、次のような行為をしてはいけません。
①走行中みだりに運転者に話しかけること。
②物品をみだりに車外へ投げること。
③ハンドル、ブレーキその他運転に必要な機械装置に手をふれ、または非常口その他事故の際旅客を車外に脱出させるための装置を操作すること。
④走行中乗降口のドアを開閉すること。
⑤ 一般旅客に対して寄付もしくは物品の購買を求め、演説し、勧誘し、または物品の配付をすること。
⑥禁煙の表示のある車内で喫煙すること。
⑦運転者などが、安全の確保と車内秩序維持のために行う制止または指示に反すること。
⑧走行中の車に飛び乗り、または飛び降りること。

第10章 交通事故、故障、災害などのとき

第1節 交通事故のとき


1 運転者などの義務
交通事故が起きたときは、運転者や乗務員は次のような措置を採らなければなりません。
(1) 事故の続発を防ぐため、他の交通の妨げにならないような安全な場所(路肩、空地など)に車を止め、エンジンを切る。
(2) 負傷者がいる場合は、医師、救急車などが到着するまでの間、ガーゼや清潔なハンカチなどで止血するなど、可能な応急救護処置を行う。この場合、むやみに負傷者を動かさない(特に頭部に傷を受けているときは動かさない)ようにする。ただし、後続事故のおそれがある場合は、早く負傷者を救出して安全な場所に移動させる。
(3) 事故が発生した場所、負傷者数や負傷の程度、物の損壊の程度、事故にあつた車の積載物などを警察官に報告し、指示を受ける。
 なお、緊急自動車、けが人や病人を運搬中の車や、乗合バスなどの運転者は、業務のために引き続きその車を運転する必要があるときは、他の乗務員に負傷者の救護や警察官への報告など必要な措置を行わせて、運転を続けることができる。

2 医師の診断を受けること
軽いけがでも、必ず警察官に届け、外傷がなくても頭部などに強い衝撃を受けたときは、医師の診断を受けましよう。後になつて後遺症が起きて困ることがあります。

3 現場に居合わせた人の協力
(1) 交通事故の現場に居合わせた人は、負傷者の救護、事故車両の移動などについて進んで協力しましょう。
(2) ひき逃げを見かけたときは、負傷者を救護するとともに、その車のナンバー、車種、色など車の特徴を110番通報などで警察官に届け出ましよう。
(3) 事故現場には、ガソリンが流れたり、積荷に危険物があつたりするので、たばこを吸つたり、マツチを捨てたりしないようにしましよう。
4 交通事故についての相談
各都道府県の交通安全活動推進センターは、交通事故についての相談に応じていますので、利用しましょう。

第2節 故障などのとき


1 車が故障したときや、燃料、冷却水などが切れたときは、他の交通の妨げにならない場所に駐車し、速やかに修理又は補給の措置を採りましよう。高速道路でやむを得ず駐車する場合には、他の車の走行の妨害にならないよう路肩又は路側帯に車を駐車させなければなりません。

2 夜間やむを得ず一般道路で駐車する場合には、非常点滅表示灯などをつけるか、停止表示器材を置くなど、他の車に停止していることが分かるようにしなければなりません。昼間、一般道路で駐車する場合にも、停止表示器材を置いたり、トランクをあけたりして駐車していることを表示するようにしましょう。

3 高速道路でやむを得ず駐車する場合には、時間帯に応じて、昼間用又は夜間用の停止表示器材を車の後方に置かなければなりません(歩行が困難で自動車の後方の路上に停止表示器材を置くことができない場合には、停止表示灯については自動車の側方の路上などの後方から見やすい場所に置くこともできます。)。夜間の場合、非常点滅表示灯、駐車灯又は尾灯を併せてつけなければなりません。停止表示器材を置くときには、発炎筒を使つて合図をするなど後続車に十分注意しましよう。

4 道路に故障車両を放置することは、追突事故などの原因となり非常に危険です。停止表示器材を置くなど、一次措置を終えるとすぐに、近くの電話などでJAF(日本自動車連盟)や修理業者などの車を呼んで、速やかに道路外へ移動させるようにしましよう。やむを得ず一般車両でけん引するときは、けん引する車と故障車の間に安全な間隔(5メートル以内)を保ちながら丈夫なロープなどで確実につなぎ、ロープに白い布(30センチメートル平方以上)を付けなければなりません。

第3節 災害などのとき


1 地震災害に関する警戒宣言が発せられたとき
大規模地震対策特別措置法により、大規模な地震災害が生じるおそれのある地域が強化地域(地震防災対策強化地域をいいます。)として指定されます。現在のところ、東海地震に関して静岡県の全域と東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知、三重の7都県の一部が指定されています。
 この強化地域において、大規模な地震の発生するおそれが迫つており、かつ、地震防災応急対策を実施することが緊急に必要であるときは、内閣総理大臣が警戒宣言を発することになつています。警戒宣言が発せられた場合、強化地域内での一般車両の通行は禁止され、又は制限されます。強化地域内の運転者は次のような措置を採るようにしましよう。
(1) 車を運転中に警戒宣言が発せられたとき
ア 警戒宣言が発せられたことを知つたときは、地震の発生に備えて、あわてることなく、低速で走行するとともに、カーラジオ等により継続して地震情報や交通情報を聞き、その情報に応じて行動すること。
イ 車を置いて避難するときは、できるだけ道路外の場所に移動しておくこと。やむを得ず道路上に置いて避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを止め、エンジンキーは付けたままとするか運転席などの車内の分かりやすい場所に置いておくこととしし、窓を閉め、ドアはロックしないこと。駐車するときは、避難する人の通行や地震防災応急対策の実施の妨げとなるような場所には駐車しないこと。
(2) 車を運転中以外の場合に警戒宣言が発せられたとき津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のために車を使用しないこと。

2 緊急地震速報が発表されたとき
緊急地震速報は、気象庁が、予想される地震動の大きさがおおむね震度5弱以上である場合に、震度4以上を予想した区域を、その揺れが来る前に発表するものです。
車を運転中に緊急地震速報が発表されたことを知つたときは、運転者は、周囲の状況に応じて、あわてることなく、非常点滅表示灯をつけるなどして周囲の車に注意を促した後、急ブレーキを避け、緩やかに速度を落としましよう。

3 大地震が発生したとき
大地震が発生した場合、運転者は次のような措置を採るようにしましよう。
(1) 車を運転中に大地震が発生したとき
ア 急ハンドル、急ブレーキを避けるなど、できるだけ安全な方法により道路の左側に停止させること。
イ 停止後は、カーラジオ等により地震情報や交通情報を聞き、その情報や周囲の状況に応じて行動すること。
ウ 引き続き車を運転するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物などに十分注意すること。
エ 車を置いて避難するときは、できるだけ道路外の場所に移動しておくこと。やむを得ず道路上に置いて避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを止め、エンジンキーは付けたままとするか運転席などの車内の分かりやすい場所に置いておくこととしし、窓を閉め、ドアはロックしないこと。駐車するときは、避難する人の通行や災害応急対策の実施の妨げとなるような場所には駐車しないこと。
(2) 車を運転中以外の場合に大地震が発生したとき
ア 津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のために車を使用しないこと。
イ 津波から避難するためやむを得ず車を使用するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障
害物などに十分注意しながら運転すること。

4 災害が発生したときなどに災害対策基本法による交通の規制が行われたとき
災害対策基本法により、災害が発生し、又はまさに発生しようとしている都道府県(これに隣接し又は近接する都道府県を含む。)において、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため緊急の必要があるときは、緊急通行車両以外の車両の通行が禁止され、又は制限されます。
この交通の規制が行われた場合、通行禁止区域等(交通の規制が行われている区域又は道路の区間をいいます。)内の一般車両の運転者は次の措置をとらなければなりません。
(1) 速やかに、車を次の場所へ移動させること。
ア 道路の区間を指定して交通の規制が行われたときは、規制が行われている道路の区間以外の場所
イ 区域を指定して交通の規制が行われたときは、道路外の場所
(2) 速やかな移動が困難なときは、車をできるだけ道路の左端に沿つて駐車するなど、緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車すること。
(3) 警察官の指示を受けたときは、その指示に従つて車を移動又は駐車すること。
 なお、警察官は、通行禁止区域等において車などが緊急通行車両の通行の妨害となつているときは、その車の運転者などに対して必要な措置をとることを命じることがあります。運転者などが命令された措置をとらなかつたり、現場にいないために措置をとることを命じることができないときは、警察官が、自らその措置をとることがあります。この場合、やむを得ない限度において、車などを破損することがありま
す。また、これらの警察官の命令等の職務については、警察官がその場にいない場合に限り、災害派遣に従事する自衛官や消防吏員が行うことがあります。

5 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律などによる交通の規制が行われたとき
武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律により、国民の保護のための措置が的確かつ迅速に行われるようにするため緊急の必要があるときは、緊急通行車両以外の車両の通行が禁止され、又は制限されます。
 また、道路交通法により、自衛隊等による我が国に対する外部からの武力攻撃を排除するための行動が的確かつ円滑に実施されるようにするため緊急の必要があるときは、自衛隊等の使用する車両以外の車両の通行が禁止され、又は制限されます。
 これらの交通の規制が行われた場合、通行禁止区域等内の一般車両の運転者は、災害対策基本法による交通規制が行われた場合の通行禁止区域等内の一般車両の運転者と同様の措置をとらなければなりません。

 

第11章 自動車所有者、使用者、安全運転管理者、自動車運転代行業者などの心得

第1節 自動車所有者などの義務


自動車を所有する人や使用、管理する人は次のことを守らなければなりません。

1 自動車の保管場所の確保など
(1) 住所など自動車の使用の本拠の位置から2キロメートル以内の、道路以外の場所に自動車の保管場所
を確保しなければなりません。
(2) 自動車を運行の用に供しようとするときなどは、警察署長の交付する保管場所標章を自動車の後面
ガラスなどにはり付けて表示しなければなりません。

2 自動車の登録(届け出)
自動車は登録を受け(軽自動車は届け出)て、番号標(ナンバープレート)を付けなければなりません。

3 自動車の検査
自動車は、一定の時期に検査を受けなければなりません。前面ガラスにはられた検査標章の数字は、次の検査の時期(年月)を示します。

4 強制保険などの加入
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)か責任共済に加入しなければなりません。原動機付自転車も必ず自賠責保険か責任共済に加入しなければなりません。また、なるべく一般の任意保険にも加入するようにしましょう。

5 自動車の管理
無免許の人や酒を飲んだ人に車を貸してはいけません。また、車を勝手に持ち出されないように、車のかぎの保管に十分注意しましよう。

第2節 使用者、安全運転管理者、自動車運転代行業者などの義務


1 使用者の義務など
(1) 車の使用者は、運転者に交通規則を守らせ、安全運転管理者などに安全運転の管理をさせるように努めなければなりません。自動車運転代行業者が、その業務に従事する運転者に代行運転自動車を運転させる場合も同様です。
(2) 消防用自動車などの緊急自動車や道路維持作業用自動車の使用者は、安全運転管理者を置いている場合を除き、運転者に対し、安全運転に必要な交通安全教育を行うよう努めなければなりません。
(3) 車の使用者は、車の適正な駐車のために必要な措置を講じなければなりません。
(4) 運転者が次のようなことをしたときには、公安委員会から、その車の使用者に対して、再発を防止するために必要な措置をとることを指示されることがあります。それでも、なおこのようなことが繰り返された場合には、使用者は、一定期間その自動車を運転したり、運転させたりすることができなくなる処分を受けることがあります。
ア 最高速度違反行為(最高速度を超える速度で車を運転する行為をいいます。)
イ 過積載運転行為(過積載をして車を運転する行為をいいます。)
ウ 過労運転(過労により正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転する行為をいいます。)
 なお、自動車運転代行業者は、代行運転自動車や随伴用自動車の運転者がア、ウの行為や駐停車違反行為(違法に駐車又は停車をする行為をいいます。)をしたときにも、公安委員会から、再発を防止するために必要な措置をとることを指示されたり、その営業を停止する処分を受けたりすることがあります。
(5) 公安委員会から放置違反金の納付を命ぜられた車の使用者は、それ以前に放置違反金の納付を命ぜられたことがあるときは、一定期間その車を運転したり、運転させたりすることができなくなる処分を受けることがあります。
(6) 放置違反金を納付の期限までに納付せず、公安委員会から督促を受けた自動車の使用者は、その放置違反金、延滞金及び手数料を納付したことなどを証する書面を提示しなければ、新たに自動車検査証を受けることができません。

2 安全運転管理者など
(1) 自動車の使用者は、自動車の安全な運転に必要な業務を行わせるため、乗車定員が11人以上の自動車にあつては1台、その他の自動車にあつては5台(大型自動二輪車と普通自動二輪車はそれぞれ0.5台として計算します。)以上の車を使用する事業所ごとに、安全運転管理者を置かなければなりません。また、自動車運転代行業者は、その営業所ごとに安全運転管理者を置かなければなりません。
(2) 20台以上の自動車(大型自動二輪車と普通自動二輪車はそれぞれ0.5台として計算します。)を使用する事業所(自動車運転代行業者にあつては、10台以上の随伴用自動車を使用する営業所)には、それぞれ使用する台数に応じて所定の数の副安全運転管理者を置かなければなりません。
(3) 安全運転管理者は、次のことを確実に行つて、運転者に安全な運転をさせるようにしなければなりません。また、副安全運転管理者は、これらの業務について安全運転管理者を補助しなければなりません。
ア 交通安全教育を行うこと。
イ 自動車の運転についての運転者の適性、技能、知識や運転者が交通規則を守つているかを把握するための措置をとること。
ウ 最高速度違反行為、過積載運転行為、過労運転、違法な駐車をした場合において、運転者が車を離れて直ちに運転することができない状態にする行為(代行運転自動車及び随伴用自動車については駐停車違反行為)の防止などに十分気を配つて運行計画を作成すること。
エ 長距離運転などの場合は、交代運転者を配置すること。
オ 異常な気象や天災などの場合は、必要な指示をするなど安全運転をさせるための措置をとること。
カ 日常点検の実施や運転者の健康状態などを確認し、安全運転に必要な指示をすること。
キ 運転日誌をつけさせること。
ク 自動車の運転についての技能、知識など安全運転に必要な事項について指導すること。
(4) 自動車の使用者や安全運転管理者など自動車の運行を直接管理する者は、運転者に次のようなことをさせたり、黙認したりしてはいけません。このような場合は、一定期間その自動車を運転したり、運転させたりすることができなくなる処分を受けることがあります。
ア 無免許運転(免許停止中の運転を含みます。)や無資格運転
イ 最高速度違反行為
ウ 酒酔い運転や酒気帯び運転
エ 麻薬、覚せい剤、シンナー等の服用運転や過労運転等
オ 積載の制限に違反して自動車を運転する行為
カ 違法な駐車をした場合において、運転者が車を離れて直ちに運転することができない状態にする行為
 また、自動車運転代行業者やその安全運転管理者などは、代行運転自動車の運転者に対しては、アからエの行為又は駐停車違反行為を、随伴用自動車に対してはアからオの行為又は駐停車違反行為をさせたり、黙認したりしてはいけません。

用語のまとめ
注1 車……自動車、原動機付自転車、自転車や荷車などの軽車両、トロリーバスをいいます。
注2 路側帯……歩道のない道路で、歩行者の通行のためや車道の効用を保つための白の線によつて区分された道路の端の帯状の部分をいいます。
注3 歩行者用道路……歩行者の安全のために標識によつて自動車などの通行を禁止してい
る道路をいいます。
注4 自動車運転代行業……他人に代わつて自動車を運転するサービスを提供する営業で、次のいずれにも当たるものをいいます。
(1) 主として、夜間に、飲食店などで飲酒をして酒気を帯びている客に代わつて自動車を運転するサービスを提供するものであること。
(2) 酒気を帯びている客などを乗車させるものであること。
(3) 通常の営業形態として、客に代わつて運転する自動車に、業務用の自動車(随伴用自動車といいます。)が随伴するものであること。
注5 ミニカー……総排気量については50cc以下、定格出力については0.60キロワット以下の原動機を有する普通自動車をいいます。
注6 特定の構造の農業用薬剤散布車……時速35キロメートル以上の速度を出すことができない構造の農業用薬剤を散布するための普通自動車をいいます。
注7 先進安全自動車(ASV)……先進技術を利用して運転者の安全運転を支援するシステムを搭載した自動車であり、衝突被害軽減ブレーキ、ACC(車間距離制御システム)等の技術を搭載した車両が既に実用化されています。
注8 小型二輪車……総排気量については125cc以下、定格出力については1.00キロワット以下の原動機を有する普通自動二輪車

警察官、交通巡視員による信号




標示版など

 

 

標識•標示の種類と意味


(1)標識
規制標識


指示標識

補助標識

案内標識

警戒標識



(2)標示

規制標示



指示標示